シニアの戦力化

■創作

◎松川に鴨が戯れ花筏   禅智

 先日の花見の時、松川縁を歩きながら、レシートの裏に書き留めていた句が出て来た。桜の花は満開であったが、風が吹くと花吹雪のように宙に舞う。それが、下を流れる松川に集まり、部分的ではあるが川面を覆い筏を連想させる。
 鴨が2羽泳いで来て、花筏の中に入る。遊覧船で花見を楽しんでいる人達の真似をしているのだろうか。

■シニアの戦力化
週刊ダイヤモンドからの抜粋である。
「優先的に手を打つべきは、現有能力の戦力化だろう。役職定年前後から定年前OB化など問題化するシニアが出現し始めることを想えば、やはり50代前半あたりの“弛みはじめ”の時期からキャリアデザイン研修などを通じ、職業人生設計を行い、今後の働き方や専門能力を高めることなどセカンドキャリアの働き方の準備をしておくことも大切だ。
再雇用で最も大きな障がいになるのは、個人の意識・価値観だ。多くのシニアが、セカンドキャリア期の働き方の理解とその心構えができていない。ファーストキャリアの生き方や価値観のままでは、セカンドキャリアは上手くいかない。上昇キャリアから下降キャリアへの転換期の受け止め方として、自己の内面を、次のセカンドキャリアに軸足をおいた価値観に転換できれば、意識面の切り替えは早い。
自己調整の過程は、キャリアトランジションの考え方に沿って、新たな変化への適応を、自己の転機・再生機会としてとらえることから始まる。そして、組織・仕事と自分との“関係を結び直す”ことで、新たな目標や価値観を見出してこの変化を乗り切る。
この過程は本人にとっては面白くはない。自尊感情の元になっている過去の貢献感や肩書き意識をヨコにおく、新たな仕事・人間関係を受け入れる、給与や待遇がダウンするなど、自分にとって不都合な現実を受け入れなければならないからだ。
だが、もはやそこにすがって生きることはできない、とわかったら、次はどうするかだ。答えは簡単、自分が今後を生きていくために、あらたな役割・仕事に対する前向きな気持ちや、仲間と働ける喜びなど、別の意味付けを行い、自分なりの「新たな価値観」の発見ができればいいのだ。
一貫して述べてきたことは、シニアを雇用する義務があるから消極的に活用するのではなく、戦力化を試み、企業収益に貢献する積極的な活用・活性化策を練り、辛抱強く取り組んでほしいということだ。シニア雇用は問題も多く、すぐに良い成果が表れにくい。自社のシニア活用に息長く挑戦し、生きがいと生産性を生む職場づくりに取り組んでいただきたい。ビジネスキャリア30余年、シニアのキャリアの宝物を、使いこなせないのは、あまりにもったいない。」