タイミング

■タイミング

◎歩きだし前触れもなく雨に合う  禅智  
朝起きて外を見ると道路が乾いている。ニュースの降水確率は70%である。身支度をして自宅を出る時も雨の気配がない。しかし、もしやと思って傘を持って出た。家を出てから5分ほどで雨が降り出した。大降りではなかったが20分もそのままではずぶ濡れになっていたところだ。何か悪いことにタイミングが合いすぎるような気がした。
誰かが、何かが試してやろうと影で操っているのだろうか。それとも、単なる偶然なのだろうか。雨にぬれた庭木や花は生き生きと見えた。


■「ほっこり ぽくぽく 上方さんぽ」(田辺聖子著、文藝春秋、1999年)を読む。
 なかなかの力作であった。さんぽと称しているので、もっと軽いものを期待していたが、一か所から古典に派生し、川柳、俳句、短歌などにも飛び火し、その詳しい記述は参考文献を見て驚いた。こういう展開は面白かったが、少しくどく感じた。しかし、昔の人の生活ぶりがよく分かった。400ページの大作である。
「いかに猛勉強したかという証拠に、諭吉などは枕を持っていなかった。目が明いている限り勉強する。眠くなれば机につっぷし、本を枕にうたた寝という生活〜」
「〜ナチとはこのへんの方言で、ナグチ、山の入口といったところかな。」