送別会

■寝る子

◎休耕田背丈ほどに雑育つ  禅智  
 昔から寝る子は育つと言われている。若いころは、眠ることで人生を損していると考えていた。しかし、このごろ、眠ることは明日への活力を生むと考えるようになった。
昨日、一昨日と何もせずただゴロっとしている時間が多かった。おかげで今朝は調子がいいようだ。
 昨日のことを思い出した。書店で本を物色していると「気遣いのキホン」というタイトルの本があった。あった、というのは後から気が付いたためで、最初に手に取った時は「気違いのキホン」と思っていた。
 快晴の空、いつもより早く家を出る。祭日ということもあってか、通りの車の台数も少ない。静かな朝である。木陰で少し休む。気持ちのいい風が全身を撫でる。
休耕田なのか耕作放棄地なのか分からないが、雑草が人の背丈ほども伸びている。なんか、勢いを感じた。

■送別会
 盛大な送別会に出席した。36年も会社発展に尽くしてこられた方であった。感謝である。もう二つ感動があった。まず、料理である。焼き物や揚げ物がない。こういう料理は素材が新鮮でないと出せない。わざわざ生で食べさせるのもあった。これには参ったね。全部ではないが写真を撮った。
 二つ目は「カサブランカ」という名前の花である。ユリ科の花は花が大きく臭いもいいので好きな方である。この辺ではササユリが多いが、ヤマユリも見たことがある。これは花が大きく見事である。しかし、このカサブランカはもっと花が大きく初めて見た。感動だ!

 お造りかと思ったら前菜のようだ。沢蟹がコリコリとお菓子のようであった。容器に模してあるパプリカはみずみずしく新鮮であった。


 お造りである。器に濡れた和紙がかかって乾燥を抑えている。朝顔の絵も季節感たっぷりの演出である。素晴らしい心遣いである。魚も付け合せの野菜も新鮮でびっくり!


 しゃぶしゃぶである。なんと言っても肉が口の中で溶ける。(茹ですぎると駄目)高級和牛であることは言われなくても分かる。欠席した人も分まで入れていただいた。


 全部生でたべる野菜である。これには驚いたね。トウモロコシを初めて生で食べた。素材そのものの味が口いっぱいに広がる。量もこのくらいがちょうどいい。参りました!


 途中何点かあったが、締めは水蛸の握り寿司と茶碗蒸しであった。茶碗蒸しはもう一杯食べたかったなあ。


 そしてカサブランカである。臭いはあまり強くないが、女王ユリのような気品が漂う。私は、しばらく動けなかった。