冬の雨

■冬の雨
◎寂しさに追い打ち掛ける冬の雨     禅智
朝から雨がひどい。昼前からは嵐になった。こうなると、傘は役に立たなくなる。
出勤時は、雨がシトシト状態で、雨に煙る街並みになっていた。今日は早朝会議があるため6時30分ごろに家を出る。最初はトレッキングシューズを履いて出たが、長靴に履き替えた。
 手袋越しに雨粒が冷たい。これから、どんどん水温が下がっていき、みぞれに変わり、やがて白い雪になる。
 朝のまだ太陽が出ていない薄暗い雨の中を歩いていると、自分の今後の生活が脳裏に浮かんでは消え、こうなるかな?いや、そうじゃないだろう!を繰り返し寂しい思いがする。その気持ちに対しさらに追い打ちを掛けるように冷たい雨が顔に触れる。

■「流星の旅路」(山田典宗著、幻冬舎、2014年)を読む。
 こういう結末をハッピーエンドというのか?というのが読後の感想であった。いろいろなことが立て続けに分かるので夢中になって読んでしまった。面白い部類に入ると思う。警察の話、病院の話とよく書けるものだと著者略歴を見ると経験者であった。やはり、いろいろな経験を積んで置かなければ小説など書けないのではないかと思った。
「国民の安全は、警察官が身銭をきっているからこそ守られている」
「口先だけで商売をしている人間を〜好きになれないのだ。」
「 お前は駄目だとか、それくらいできて当たり前だなどと、常に批判ばかりされて褒められたことなく育った人間は、人を批判して生きていく。人の喜びや悲しみに自分の心を寄せることができないのだ。おっ、すごいね、とか、よくやったね、と自分を肯定されて育った人間は人と協調して生きることができる。人と肩を抱き合って喜び、手を取り合って悲しむことができるのだ。」