春めく

■春めく
◎春めいて変化の兆し逃避行  禅智
 朝から天気がよかった。ちょうど、職場に着くころに太陽が昇った。何か久しぶりのまぶしさであった。しかし、風は冷たい。日差しが当たるところは快適であるが、日蔭は冷たい。テレビでフキノトウが出ていると報じていた。もう出始めたかと春の使者を思う。さっそく採りに行こう。
 指にアカギレが出来ていたが、やっと埋まったと思ったら今度は別の指にできた。ケアしないといけないがハンドクリームが見当たらない。
 春になるからではないが、いろいろな異動・移動も含めて何かが変わると思わせる季節になる。変化するというと良くなる方に変わると錯覚する場合が多いが、むしろ悪化している場合もあると考えている。そんな場合は、逃げようと思う。戦場で真っ先に死ぬのは、正義感が旺盛で、自己鍛錬を怠らず、戦闘能力の高い人間であるということを聞いたことがある。反対に、戦場で生き延びるのは、臆病な人間であるらしい。自分は、勇気ある臆病者になりたいなあ。

■「還暦少年」(平山 譲著、講談社、2014年)を読む。
 妙に元気になる内容であった。年代が近いのがその原因だろうか。
「働いている人がいるってことを、気にしなくなった」
「誰もが、老いるし、誰もが、死ぬんだ」
「ありあまる時間の砂漠〜」
「五十九歳のときに顔面痙攣を患い〜」
「仕事を失い、給料を失い、職場関係の人間関係も失った。」
「定年退職したからといって、だらしのない恰好で外出したくなかった。」
「生きてゆくことは、失ってゆくことでもある。」
「定年退職、難病発症、家庭崩壊、生きがいの喪失、仲間や家族との死別」