雪の降る街

■雪の降る街
◎雪が降る我が敗北のカタルシス  禅智
 5時起床である。早朝会議前に職場の除雪をしなければならないなあと考える。玄関のドアを開けると新たに30cmほど積もっている。家人は昨日休みであったが、3回も除雪したと話していた。今日は幸い除雪車が入っていてくれて、車道は問題なさそうだ。
 まだ明けきらない薄暗い道を歩く。頭の中では「♪♪雪のふるまちを〜」というメロディーが舞い降りる。ずっと眺めていると、いろいろなことを思い出す。ヘドロのようなゴタゴタがこの雪で浄化されるといいのにと思ったり、忘れたりする。夢見心地とはよく言ったものだ。
 歩道の除雪はない。長靴に雪を入れないように歩くが少しは入ってしまう。汗が出てきた。冬山を思い出す。そういえば、今日は登山用のアンダーを着ている。なかなか快適である。しかし、汗が冷えたら大変なことになる(山での話)。鼻の上に汗をかいているのが分かる。あまりにも暑いので第一ボタンを外す。
職場での除雪は、雪を持ち上げなければならず、難儀した。こういうのは若い者はやらないので、年長者が行うことになる。今年で最後になるだろうか、などと考えながらスコップを持ち上げた。

■「寂聴まんだら対談」(瀬戸内寂聴著、講談社、2014年)を読む。
 作家の写真が載っており、楽しかった。
「人は若くてもいつ死ぬかわからないですね」
「能はあの世とこの世の交信だ」
「老人に慣れない」
「作家は何でも経験すべし」