物忘れ

■物忘れ
◎物忘れ春遠からじ呆けの道  禅智
 いい天気になった。出勤時に山友の「ともさん」と出会う。家が近くなので良く会う。昨日は御前山へ行ってきたとのこと。積雪はスノーシューを履いてもモモぐらいの高さということが分かった。先行者1名のみであり、追いついたところで、終えたという。
 きついラッセルであったことが予想される。
 八ケ岳遭難では2名とも助からなかった。山岳部で海外渡航歴もある上級者と思ったが駄目だった。道間違いと滑落によって体力を使い果たし、低体温症らしい。自分も近い覚えがあるので痛ましい。
 携帯電話を忘れた。いつもは枕元に置いてあり玄関まで持っていったことは覚えているが、その後の記憶が飛んでしまっている。別のことを考えていたのかもしれないが、それも忘れている。
 帰りは暴風雨であった。傘がさせないので、雨のまま突っ走った。

■「小さな異邦人」(連城三紀彦著、文藝春秋、2014年)を読む。
 推理小説なのか、このようなタッチは初めてであった。読み終えるのに時間がかかった。
「妻が去っていった一番の理由が、自分の体臭だったのかもしれない」
「白雨とは夕立のこと」