すずめ

■すずめ
◎雀鳴くお茶を一口生きている    禅智
 携帯電話で目覚まし時刻をセットしているが、お世話になることは少ない。眠りにつくのが早いためか、設定時刻前には目が覚める。年寄りなので早起きなのか、血圧が高くて早起きなのか分からない。今日は、雀の声に起こされたようだ。換気目的もあって、窓を少し開けているので鳥の声がストレートに入って来る。喉の渇きを覚えたので、枕元にあるペットボトルのお茶を一口飲む。「まだ、生きている」という実感があった。
 図書館に返却するためいつもとは違った道を歩く。ドクダミの白い花や、どこかの家の窓越しに咲いている白いバラに癒されながら、何も考えないで歩く。空は見ている範囲は青かったが、少し鈍い青である。薄い雲が滞留しているのだろう。耕作放棄田の中は植物の宝庫である。我咲かんと背丈を伸ばしている。ふと、昨年のセイダカアワダチソウが、枯れたま数本立っているのが目に入る。腐っても鯛という言葉があるが、枯れてもアワダチソウである。根っこが深いのか、強いのか分からないが、積雪の試練も経ているはずである。
 この植物は外来種として中部山岳国立公園では駆除の対象になっているが、世の中強いモノが残るということか。残るのは強いモノではなく、環境に対応できているモノといったのはダーウィンだったろうか、記憶は曖昧でうる覚えである。
 三日月が細い、近未来の自分のお腹囲を予想される姿であろうか。
 生活環境を変えないと肋間神経痛で日々さいなまれている。