夏草

■夏草
◎夏草や企業戦士の成れの果て    禅智
 昨日も21時過ぎに寝た。4時に目が覚め、5時に起きる。いつものように、朝刊に目を通す。一面から見出しのみを目で確認し、興味があった記事は中身まで読む。今朝は、日本百名山登頂の記事が載っていた。もう関係ないと思いつつもつい読んでしまう。
 最後にお悔やみ欄がある。今朝は、知っていたような人が載っているではないか。人違いかも知れない。住所を確認する。一度、呼ばれたことがあったし、金沢の本社の早朝会議出席のため、迎えにいったこともある。そんな地名であった。次に、年齢である。60代で若い方だ。上司であったが、年齢は知らない。自分と8歳しか違わない。もっと離れていたような記憶がある。これは、人違いの可能性が高まった。
 東京から帰って来た自分を前の会社で拾ってくれた恩人である。その会社は、金沢本社であるが、今でいう「ブラック企業」であり、毎年何十名も退職していった。この方は、その中で、朝から晩まで、土、日も働いていた。嫌なこともあったと思うが思い出すのはお世話になったことばかりである。
 もう25年前になってしまったが、送別会も開いてくれ円満退職をさせてくれた。
自分の行動あるいは考え方の足しになっていると感謝している。自分が受けたパワハラも激しかったが、結局彼の仕事に対する姿勢が寿命を縮めたと考えている。企業戦士の成れの果てを見たような気がした。
 ところが、私の推測は間違っていた。
 ニュースを検索してみたところ「2015年6月13日午後3時40分頃、富山市堀で■■■■さんが道路を歩いて横断していたところ、■■■■さんが運転する車にはねられた。頭を強く打ち意識不明の重体だった■■■■さんは病院で亡くなった。
事故現場は、横断歩道がある交差点で、止まれの標識があった。」が載っていた。