知人の死

■知人の死
 この年齢になると、亡くなる人が多いと思うようになる。何は見なくても、朝刊のお悔やみ欄は必須である。
 昨年は、前の前の職場の人が亡くなったのが載っていた。当時、自分の採用課長であり上司になった。13年間ほど職場を共にしたが、いい思い出はなかった。
 嫌なことをした人間が忘れていても、された方は一生忘れない!死因が交通事故だったとは彼らしい。60代で短命であった。
 今朝の新聞を見て驚いた。今朝は3時半に起床していた。
 朝刊に載っていた人は前の職場で一緒であった。そして、最近流行っているのか、葬儀は終了しましたの括弧書きである。同じ年齢で自分と同じ年に中途入社していた。そして、5〜6年前に退職して、ブローカのようなことをやっていると聞いていた。濃い付き合いではなかったが、新聞の住所が近かったので、それを手掛かりに最後の挨拶でもしておこうと家を出る。
 雨は、限りなくみぞれに近い温度で徒歩には堪えた。小一時間ほど探したが見つからず、交番へ向かう。そこで、マンションの一室と分かった。自宅から歩いて10分ぐらいの場所であった。こんなところに住んでいたのか、と感慨深い。
 郵便受けで部屋の番号を確認して行ったが、部屋は施錠されていた。そういえば、離婚し一人暮らしであったと思い出した。喪主は、親戚の人のようだ。
 まだ、50代での死であった。明日は我が身と思わざるを得ない。最近読んだ本に年寄りは葬式に行かない方がいいと書いてあった。
 人間好きなことをしたり食べたりした方がいいと、今日は禁じ手を破り外食してしまった。寒かったので急ぎ暖をとりたかったのとささやかな弔いであった。