インターフォン

インターフォン
 正式名は知らないが呼び鈴のことである。インターフォンは部屋同士のやり取りに使用するものと解釈しており、呼び鈴の方が自然だと思うが鈴ではない。チャイムである。
 先日、宅配業者の不在者票が郵便受けに入っていた。この時、部屋に家族がいた。おかしいと思って玄関のインターフォンを押すとチャイムが鳴るが、部屋の中では聞こえないことが分かった。また、ボタンを押せば会話ができるがこれも出来ない。
 そこで住宅会社に連絡し来てもらった。16年もたっているのでおそらく部品はなくカメラ付きのタイプと交換になるだろうという。
 この時、不思議なことが起きた、チャイム音が部屋に聞こえるようになったのである。結局故障内容は会話が出来ないことだけになった。これなら我慢の範囲である。
 住宅会社の方はお金にならなかったが、こっちは助かった。
 医者の薬は良く効く。もうほとんど咳が出ない。反面、眠り薬が処方されてるのか眠ってばかりいる。昼からはパソコンで70年代のフォークソングを掛け、本を読んで過ごした。失業者に戻ったのだと改めて自覚した。14年前に作成した定年後の生活では、アルバイトをしながら生活しているという風になっている。そこは外れたね。
 学校の同僚の名前と顔が一致するのは自分は遅かったらしい。2ケ月ほどかかった。しかし、いまでも五十音順に読みあげられる出席確認ではソラで言えるし同時に顔も正確に思い出すことができる。

■「できすぎた話」(藤原正彦著、新潮社、2016年)を読む。
「作家というものはなあ、一作でも駄作を書いたらもうそれまでなんだ。読者から見放されてしまう。だからたった二枚の原稿でも俺は全力を尽くして書くんだ」
「能率や利便は人間の幸せとほとんど無関係なのだ。」
「祖国に対する真の誇りと自信は、大きな領土、経済的繁栄、強大な軍事力では決して生まれない。文化、芸術、学術など普遍的価値の創出により生まれる。」
「多くの人にとっては魂より生活なんだ。」
「人は野の実を食べながら懐かしさを食べているのである。」
「基本的な道徳や価値観は自由であったり多様であってはいけないのだ。」
「外国語学習は、一気呵成の集中が最も効率的なのだ。」
「語学ができるほどだんだん馬鹿になる人間の方がむしろ多い」(中野好夫
「人類にとって大切なものはいくつもあり、経済はそのほんの一つにすぎない。」
「要するに、国際的に活躍するのは、話す言葉ではなく話す内容なのである。」
「書いても書いても突っ返された頃の原稿」
「人生とは別れの堆積なのだ。」
「私は有言の圧力には強いが無言の圧力には人一倍弱いらしい。」
「我が国もまた『たかが経済』にハイジャックされ、恥ずべき国家群に仲間入りしたのだ。」
「ネットにより人間は情報を得て教養を失った。」
「世の中が便利になって一番困っているのが、実は人間なのです。」