技術流出

■創作

◎雨の朝かすんで見えるは我が心    禅智

 朝から雨が降っている。この時期の雨はやさしい。いつもの習慣で立山連邦の方
  に目を向けると、かすんで何も見えない。山の裾の方も見えない。鈍よりした鉛色
  の空である。山はかすんで見えないが、自分の今後は見えているのか、と自問自答
  しながらの通勤路である。
   この歳になると、将来がすっきり見える人生よりも、この先何があるか分からな
  い人生の方が面白いと思うようになって来た。ホワイトアウトの登山と同じだ。
   もちろん、最悪の場合は自分の命を掛けなければならない時もある。
   突然、最近勉強というのをやっていないと思い出した。教養学部だったので一生
  教養を身に付けたいと本を読んでいるだけである。
   これでは、お金と時間の無駄になるので、今年の受験はパスせざるを得ない。
   自分の学校は図書館と古本屋だと言い切った作家やサヨナラだけが人生だと言い
  残した作家がいたことをフト思いだした。

■技術流出
47ニュースからの引用である。
東芝技術流出容疑で逮捕状 元技術者、韓国企業に提供 
 電機大手「東芝」のフラッシュメモリーの研究データを韓国の企業に不正に流出させた疑いが強まったとして、警視庁は13日までに、不正競争防止法違反容疑で、東芝と提携していた半導体メーカーの元技術者で、福岡県内に住む50代の男の逮捕状を取った。近く強制捜査する。
 海外の企業に技術を流出させたとして刑事事件に発展するのは異例。東芝が警視庁に刑事告訴していた。
 捜査関係者によると、男は東芝フラッシュメモリーの製造事業で提携していた半導体メーカーの元技術者だった2008年ごろ、東芝の研究データをコピーして持ち出し、転職先の韓国企業に提供した疑いが持たれている。」