百舌鳥(もず)

■百舌鳥(もず)
◎静けさに百舌鳥の高啼き突き抜ける  禅智
 天気予報では降水確率がゼロ%だったので、手ぶらで出勤する。お寺の鐘突き堂の上に、スズメが巣くっているのか、いつも騒がしい。
 頬の黒い斑点を確認してスルーする。今朝は、ハトは見えず、カラスの少ない。静かな朝のひと時であった。
 昨年も書いたが、進歩がないので今年も書くことになるが、街路樹が等間隔で並んでおり、同じ種類の樹木である。カエデの一種であろう。しかし、赤く紅葉した木もあるなかで、緑の葉をたたえて居る木もある。紅葉は、気温がある温度になったらとか、寒暖差がいくつになったらと言われているが、環境は同じであるはずなのに、紅葉時期が異なっているのは、なんでだろう。 
 などと、思いながら歩いていると、突然「キチキチキチ〜」が鋭く聞こえる。
 「奴だ! 奴がいる」と声のする方を凝視すると、電線にそいつはいた。

 モズだ! モズの高啼きである。ここで、少しネットで調べて見た。
 「モズは、秋から冬にかけては1羽だけでなわばりを持ちます。そのため秋の初めには老若男女を問わずモズは激しい戦いをしてなわばりを勝ち取ります。一度確保したなわばりに侵入してくるものがあれば、また戦います。こうして11月には秋のなわばり争いは終わり、モズは1羽きりで冬を迎えます。」
 そうか、一人きりで冬を迎えるのかと、突然好きになってしまった。同類のような気がしたものだ。