創作

■創作

◎東風吹かば初夏の足音忍び寄る   禅智

 朝の出勤の時刻は変わらないのだけれども、立山連邦から昇る太陽は日増しに高度を上げている。もう、日差しを歩いていては汗ばむくらいだ。確実に夏の足音が響いてくる。
 一年で一番好きな季節は5月である。なんといっても薫風と言われている風がいい。今日もそれに近い風が吹いていた。ドイツでは麗しの五月と言われているが、ドイツ語で何といったが忘れてしまった。東風は『こち』と読む。
 この地方では、春の次に夏が来るというイメージではなく、春の次は、初夏、梅雨、夏
というように変化する。
 山ではまだ早春の趣が残っているものの、今年は平野部でも積雪がない冬だったので、日陰に残っているはずの寝雪も見ることがない。

■「倉嶋厚の人生気象学」(倉嶋 厚著、東京堂出版、2012年)を読む。
「三惚れとは、女房に惚れ、仕事に惚れ、土地に惚れることである」
「〜強度の『うつ病』になり〜自殺を数回、ガリガリに痩せ〜」
「得意の時は淡然、失意の時は泰然としているものだよ」
「時間の心理的な長さは、その時のその人の『生き方の濃さ』によって異なる。」
「10歳の頃に感じた一時間を六十歳の人は十分にしか感じないことになる。」
「ブラックアウト」
爆弾低気圧の卵が日本海の西に現れた時は、〜登山家が、この晴天に騙されて行動を起こし、〜遭難したりする。」
「雪崩に巻き込まれたら、手と脚を伸ばして、水中に落ちた時のようにバタバタともがいて泳ぎ、とにかく表面に浮かび上がれ、という。」
「〜三年近く療養生活〜その時間にロシア語を独学した〜」
「夕食後、新田次郎の仕事場へ『戦いだ、戦いだ』という掛け声で上がる〜」
「雨一番」
「1日ついとたつ、二日ふいとたつ、三日見えぬ間にたつ」
「峰の白雪夕日に映えて金の鞍置く白馬岳」(安曇節)
「寒の戻りを冴え返るという」
「ウグイスの『ホウー』は吸う時、『ケキョ』は吐く時の声だそうだ」
「人の世も、持続性を前提に暮しながら、その限界を予感する時に『時代の不安』が生まれる。」
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて涼しかりけり」(道元
「生体と気象の関係を研究する生気象学の分野では〜脳出血狭心症精神障害など〜」
「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛
「早春植物が一斉に開花し〜これをスプリング・エフェメラル(春の短い命)という。」
カタクリ花言葉は『さびしさに耐える』である。」
「残りの2年間をのんびり過ごそうと思わないで、ここでの仕事が次の飛躍につながるように努力しましょうよ」
「外相整いて内相自ら熟す」
「人間の暮らしは『動く大地』の上に展開されている」
地震のP波、S波〜プライマリ、Sはセコンダリ」