フキノトウ

フキノトウ
 明日から3月である。新聞のとじ込みに入っていたホームカレンダーにパソコンで管理している予定を写す作業がある。
 3月からせわしなくなる。これを過ぎれば真の休日が訪れるのだと思う。
 朝から雨が降っていて気温も低い。道路は四六時中濡れていた。こういう日は、休養にする。神さまが与えてくれた休養ということにしよう。何が大事と言って、休養程大事なことはないと知ったのは、だいぶ経ってからである。睡眠も同じである。
 現役時代は、浅はかな人生であったようだ。もう、取り返しがつかない。
 ”♪一人で思う〜”、”♪〜もう忘れた〜”。昨日採って来たフキノトウを調理する。少し大げさであるが、てんぷらにして昼食に一品を加えた。このニガミというのかエグミというのか、今回のは強い。初春の味を味わうとしたらいいのだろうが、なかなか口の中で消えない。
 昔は薬としても用いられたそうだ。良薬口に苦しであろうか。

■「その鳥は聖夜の前に」(片山恭一著、文芸社、2013年)を読む。
 鳥というタイトルで選んだが、内容は野鳥には関係なかったが面白い内容であった。
「亡くなった父が鳥に姿を変えて、あるいは父の魂が鳥に宿して私に会いにきたのだ・。」
「考えてみれば〜一瞬一瞬がはじめての体験なのだ。」
「時間は非常なまでに潔い。人が死のうと生きようと、淡々と過ぎていく。」
「〜小説の構想は、ノートをとりはじめることが起点になる。」
「動いているのは心だ。おまえの心が動いているんだ。」
「何も楽しみはなく、希望だってもてない状態で、気持ちを前向きに保てと言うほうが無理だ。」
「テレビは〜グルメと殺人を娯楽に生きている国民なのだ。」
「自然界ではしばしば『平均への回帰』と呼ばれる現象が見られるらしい。」
「無一物即無尽蔵」
「〜小さなもの、ささやかな異変、何気ない出来事をやさしい心で詠んで〜」
「あらゆる忌まわしい出来事は、善良さと誠実さから生まれる〜」
「そもそも医学が、人間を根本的に救うことはありえない。」
鬱病とは、時間が流れなくなる病気〜」
「慢性的な高血圧は、脳の血管にダメージを与えていた〜」
「〜得体のしれない焦燥感にかられた。」
「〜人間には、伸び伸びと大らかに生きたいという根源的な欲求がある。」
「親の偉業を継ぐのは息子の役目。」
ドストエフスキーは、一人一人の人間が抱えている苦悩や葛藤の大きさを文学的な価値とみなした。」
「自分を変えるために書くのである。」
「歳をとることは、かぎりない退歩の連続だ。」
「人が鬱病になるのは、活性のレベルを下げることで、耐えがたい状況をやる過ごそうとするからだ。」
「幻影枝〜なくなっている手足が残っているような感覚のこと」
「〜父は鳥のように去っていった。」
「古来、鳥は魂の運搬者と信じられていた。人の霊魂は鳥によってもたらされ、再び鳥になって去るという信仰は、東アジアの広い地域に残っている。とくに水辺に飛来する渡り鳥は、遠く霊界へ去った死者たちの魂が、時を定めて帰ってくるものと考えられていたらしい。」