土壌改良と施肥実習

■土壌改良と施肥実習
 午前中は八掛け支柱の本番であった。校内の実際の樹木に対して行う。だいたいは二人で行うのであるが、自分も含めて何人かは一人で行うように指示される。
 最初、仮設立てがあるが、丸太と違って思うようにいかない。この位置決めでだいぶ時間がかかってしまった。八か所を連結させるのである。ここで、悪い癖が出てしまった。もったいないの精神である。針金が短かったのでそのままの長さで隙間を開けて結合させた。後の講評では、遠くから見ればいい形をしているが、近づいてみると粗が目立つということであった。やり直し寸前といったところか。本番では節約しなくてもいいということであった。(しかし、・・・・・)
 午後からは植栽の分野の土壌改良であった。講義はすでに何週間前に終わっていたので、今回からは実習である。対象は雪吊りを行ったマツである。
 通常、土壌改良とともに施肥を行うのでセットで考えておかなければならない。
 さて、どこに、どれだけ、どのように行うのかの説明があった。
 土壌改良をする場所は、樹木の枝先の下である。要するにドーナツ型の穴を掘ることになる。これを環状施肥という。半分づつ2年おきで行う簡易型も行われる。
 次に、スポットで4か所づつ行う方法を、壺施肥という。さらに、幹に向かって縦に掘っていく方法を放射状施肥という。
 今回は、マツとマツの間を幅30cm深さ60cmで掘ることになった。
 3人組で掘りはじめたが、石がたくさん出て来て時間内で終わらなかった。その場合は、根を乾燥させないために、埋め戻す。親指大の根っこは切ってはならないので、植栽ゴテ(シャベル)でちまちまやらなければならない。明後日続きである。
 掘った土は篩(ふるい)にかけて軟らかくして40cmまで埋め戻す。その後、堆肥と土を3対7の割合で入れて混ぜる。10cm深さになったら、肥料を8〜12個並べ、さらに土をかぶせれば終わりである。
 自宅で田んぼや畑を行っている方にとっては常識であろうが、またまた自分の無知をさらけ出さなければならない。
 なんと、堆肥と肥料は同じだと考えていたのである。堆肥は、樹の皮や剪定ゴミを発酵させたものである。しかし、堆肥には植物に必要なチッソ、リン酸、カリウム分が少ないことが分かった。それを肥料で補うのである。
 それなら、堆肥の役割は何かというと、土をふわふわにする効果が期待される。そうすると、肥料分がなじんでくるので、雨で流されるということが少なくなるということである。これが、土壌改良材の意味であった。