合格証交付

■合格証交付
 朝からうらめしいほどいい天気である。今日の予定は県庁2件である。
 朝刊には、昨日の植樹祭準備の記事が大きく取り上げられている。思えば2年以上前から準備している。頼成の森でドングリ拾いをし、それをホームステイと称し各自芽吹くまで育ててもらうことや、会場の桃山運動公園にコナラなどの広葉樹を植栽したり、プレイベントのリハーサルなども結構やってきた。
 プレイベントの時に無償で配布されたクリの苗木を裏庭に植えたが、一冬越して新芽が芽吹いている。活着したようだ。数年後が楽しみである。
 今日は、造園の合格証が交付されるので取りに行かなければならない。例によって2時間前には現地に到着する。コーヒーでもと思っていたが、冗談のような値段の店ばかりなので、松川沿いのベンチに腰掛けて本を読む。目の前には池、灯篭と庭がある。スズメがややせわしない。
 本の上にソメイヨシノの枝の陰がゆらめく。日向ぼっこさながらの読書はいい気分である。
 そして、まず自然保護課に向かう。中部北陸自然歩道の最新版が出来たという情報がありもらって来た。
 次いで、合格証の交付会場へ向かう。大きさがA3で大きすぎると思った。封筒に入れたが、二度と出す予定はない。同期のFさんが同時刻に来ておられ、しばし話をする。やはり造園技術を生かしながら働いておられるという。自分としては、いまだ機が熟さず、といったところか。

■「庭園と茶室」(田中哲雄監修、山川出版社、2001年)を読む。
井上靖の短編”石庭“〜」
「庭園は歴史やその時代の文化・思想・宗教を裏付けにして造られたものだから、それらの知識・理解も必要になる。」
「庭によって自分の心の清らかさをさらに磨くことが作庭の目的であり、風景や泉石は修禅の道と一体なのである。」
「竜門の瀑布は中国の龍門山あたりに激流があって三段になって落ちていた。この滝を登ることができるのは鯉だけで、登りきれば鯉は竜になるという伝説があり、登竜門とか端午の節句の鯉のぼりのもとにもなっている。」
「池泉から御堂が建つ向こうが彼岸・浄土世界であり、池泉の手前岸は此岸(しがん)・現世なのである。橋はその結界で〜」
「反橋の由来は〜虚空に架かる虹をイメージしたものである。」
「石を立てるという言葉が作庭を意味し、石立僧というプロの作庭家が活躍し、やがて夢想礎石らが現れる〜」
「四阿(あずまや)は四本柱に屋根を四方に葺きおろした宝形造りで四方吹き放し。あずま・東国の田舎風をいう意であろう。」
「“侘び”とは“正真に慎しみ深くおごらぬさま」
「家はもらぬほど、食事は飢えぬほどにて足りる」
「露地は文字どおり、むきだしの土地であり、煩悩から離れた地域である。」
サンスクリットの最初の文字は“阿”で、万物の本源を示すとして重視される。〜この世に生をうけた人は、まず“阿”を発生する。そして死に際しては口を閉じ“吽(うん)”で生涯を終える。〜仁王や獅子狛犬である。」