南風

■南風
 今日は家人が休みで三番目がいるので、イートインコーナーのあるパン屋さんで遅い朝食のパターンである。こっちは、そんなに遅くまで待てないので朝早く外出する。今日の予定は、料理教室への申込だけである。早い者順で時刻が決まっているので毎回苦労している。電話まで時間があるので、朝食をゲットしに行く。ちょうど、本も切れていたので、西町に向かう。ここのパン屋さんもイートインコーナーがあるが、モーニングで利用したことはない。初挑戦である。分厚い玄米パントーストと飲み物で320円で良かった。最近、密度の粗い食パンを縦に半分とし、不味いコーヒーで400円もするところが増えている。まだ、営業できているのでまだ行く人が居るんだねえ。かわいそうにと思う。
 このパン屋さんに、変な老人が来た。ここは、一階から好きなパンを選んで来るか、自分のようにモーニングセットを二階で頼むシステムであるが、この老人は、100円のジュース一個だけ持ってきた。そして、ナプキンを5枚ほど手につかんでいる。そして、しばらくすると右隣の老人と大声でしゃべる。顔見知りのようだ。左隣には若い女性が勉強中であった。
 まったく、どこにでも醜い老人が喧噪している。しかし・・・、明日の自分の姿かもしれない。
 昼食後、窓からいい南風が入って来た。板の間で寝ているといつの間にか眠ってしまったようだ。実に気持ちのいい午睡であった。
 夕方近く、コーヒーを飲みに出かける。目的は読書である。しかし、注文カウンターで小銭をばらまいてしまった。後ろで待っている中学生にも拾ってもらう。何か別の病気が進行中であることは、もはや否定できない状況になっている。

■「海に向かう足あと」(朽木 祥著、角川書店、2017年)を読む。
「他人の悲劇は、傍から見ると喜劇なんだ。」
「自分を縛るいろいろなしがらみ、煩わしいことども、身過ぎ世過ぎのためのあれこれ〜」
「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」
「料理って、作る人の気が入るって聞いたことがある〜」
「ハードなトレーニングを重ねた冬〜」
「〜ほんのわずかなミスが命取りになりかねないのが、海や自然を相手にするスポーツの恐ろしさなのである。」
「成功からは人は学ばない。失敗からしか学べないならな」
「〜休みの交渉をしただけでクビになる〜」
「仕事を辞める決心だけはついたが、そのあとの予定はまっしろだった。」
「〜歴史にも学ばず、警告にも学ばず、現実に起きていることに目を閉ざしてきた。」
「人間は希望を失ったら三日で死ぬんだよ」