地域デビュー?

「人生、しょせん気晴らし」(中島義道著、文藝春秋、2009年)を読む。
 人生でもっとも影響の受けた本はと問われると、ハマトンの知的生活と中島氏の本を挙げることができる。終始、声を上げて笑いっぱなしであった。しかし、前に読んだような本である。いや、間違いなく読んでいる。まあ、2回読んでも減るものではない。自宅に
つんである5000冊の本の位置を全て暗記しており、停電でも探せると豪語しているところなんか最高である。研究室にはそれ以上あるということを別の本で読んで覚えている。
 中島氏はドイツにも家を持っている。そんな憧れも手伝っているのかもしれない。
 それにしても笑った、笑った。目から涙が出るほど笑った。大声で笑った。久しぶりである。
 しかし、放置自転車を蹴飛ばしたり、駅の構内放送がうるさいからと言って、駅員からマイクを取り上げ、線路に放ってしまうなど、著者はささいな抵抗と述べているが、普通の人はやらない行為だろう。
 「どうせすぐに死んでしまうのだから」「哲学は直感である」が心に残った。

地域デビュー?
 生まれた子供が歩けるようになり近くの公園で遊ばせることを公園デビューという。我が家も二口の公園がその舞台になった。そこでは似たような家族があちこちにいる。母親たちは社交性が旺盛なのかすぐに知らない親たちと話ができるが父親の方は自分の世界に閉じこもっている。
 定年を迎えたビジネスマンがなかなか地域社会に溶け込めなく、孤独な性格を余儀なくされることが多いらしい。これを打開し地域社会に溶け込み町内行事などに打ち込んだりすることを地域デビューというらしい。こうすると、いといろなつながりが出来て老後が豊かになるそうな。
 今日、私は地域デビューの日だと認定したい。朝通勤途中、隣のご婦人に挨拶をしたところ、「山に行かれるんですか?」と質問された。何でもご近所の方と町内を回っているときに、乾かしてあるアイゼンとグローブを発見したのがきっかけになったとのこと。朝は時間がなかったので、山用の名刺を渡したところ、お二方から温かいメールをいただいた。両名とも山行きが好きで県民カレッジに通っていたり、マラニックのお手伝いもしているという。今後、ご一緒したいですねと結んで返信したことはいうまでもない。
 来年は山で忙しくなりそうだ。ザックを新調しようか迷っている。