冬至

冬至
◎夜明け前足跡付ける冬至かな   禅智
 玄関の戸を開けると粉雪が降っている。降り出したばかりの様で積雪は1cmほどだ。でもすべてを真っ白に染め上げる。まだ薄暗い、今日は一年の中で最も昼の時間が短い日である。ゆず湯に入ったりかかぼちゃを食べる習慣はいつのまにかなくなってしまった。
 昔は、冬至がいわゆる底で、この日からどんどん日が長くなり、やがて春の声を聞けると期待もあったが、最近は果たして日が長くなることがいいことなのかどうか、と思うようになった。

■「不屈」(辻 仁成著、キノブックス、2014年)を読む。
 食い入るように読み進んだ。時間がかかったが、早く読み終えようとは思わなかった。新たな感動があった。
「〜何事も続けていれば自分のものとなる。」
「〜冗談で人を傷つけることはない〜」
「カフェという場所は、すなわち、思考する場所なのだ。」
「〜人間はこうやって死ぬまで勉強を心がけることが大事。」
「さて、人生には伏兵というものが常に潜んでいる。予測しない時に現れ立ちはだかる人や障害の軍勢を指す。」
「最高というものは、妥協しない自分の頂上を意味する。」
「挫折は人生における風邪〜」
「お金を稼ぐことや出世することや安定を目指すよりも、一生を愉しむことが優先である。」
「この自律神経は、よく笑い、よく眠り、愚痴を言わず、楽しんで生きている人においてバランスがいいということであった。」
「辻式小説の心得
1. どうしても書きたいというものを持つ、見つける、探す、つかまえる」
4. 常に毎日、気が付けば書いていることが大事
21.起承転結に意味はない。
37.頭で書かない。肉体で書け。
38.同じ言葉、単語、表現を周辺に配置しない。」
「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」
「他力本願で勝ち抜けるほど甘い世の中ではない」
「気力が漲っていて、好奇心があれば、人生、鬼に金棒ではないか」
「毎日世界で生産される食料の半分は人間の口に入ることなく破棄されている。その反面、飢餓状態にあり世界中の子どもたちが五秒に一人の割合で餓死している。」
「生きているのは本当につらい、その苦しみから解き放たれたのだから、この死者はいま幸福なのです。」
「捨てられないものは成長をしない。とらわれているものは、決して新しい場所へとたどり着かない。」
「小説というものは、人間の内面奥深くにある得体の知れない不可侵な創造性域が働いた時のみ出現する超人類的なイマジネーションの結合なのである。」
「小説はいわゆる職業にはなりにくい。けれども、人生を豊かにするものではある。」
「すでに百回は推敲している。」
「孤独は生き方を選ぶ」
「何かにぶつかった時、『初心』は自分を救う唯一の道しるべである。」
「難行の小路」(親鸞
「好きなことをやる時というのは、どこからか力が降りてくる。」
「おいらの老後は九十歳からである。」
「楽しいことは過酷なのである。過酷であること、それが人生である。」
「ベストというのは、ベターの繰り返し、積み重ねの結果」
「自分の身体の管理というのも、仕事の一つなのだろう。」
「不屈に生きる」