再雇用社員

■創作

◎水滴に春の日差しが眩しくて    禅智

 昨日の雨が上がった。道路は水を打ったようになっており、ところどころに小さい水たまりもできている。朝の太陽が照り付け、日向では汗ばむようだ。
 子供たちが小さいころおかあさんといっしょ」という番組があり、タイトルは忘れてしまったが、今の状況にぴったりの歌を思い出す。
「♪あめがあがったよ おひさまがでてきたよ あおいそらのむこうには〜」
通り道に、果物の鉢植えを玄関先に置いている家がある。夏ミカンなのか、はっさくなのか種類は分からないのだけれど柑橘類が10個ほど成っている。この家は、昔商店街で果物屋さんだった家だ。その実の下に小さな滴がキラキラと輝いて見える。
 この滴、レンズの様な働きをしているのか、景色が小さく見える。世の中も水滴の中に入ってしまうくらい小さいもの、まして人間なんぞ見えもしない・・・・。などと考えながらの通勤路である。


■再雇用社員
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「この1年間の企業の取り組みとして、法改正に伴う人事制度・就業規則の手直しのほか年金支給年齢の引き上げに伴う補てん措置が検討されてきた。多くの企業で、40代・50代のミドル・シニア社員に対し、65歳までの継続雇用制度の浸透が図られ、多くの社員が定年後も何とか働けそうだという安心感をもっている。
高年法を背景にしたシニア雇用は、新卒採用のように景気の見通しで簡単に増減させることができない。シニア雇用の圧力は、ともすれば大きな固定人件費となって、企業収益の足を引張りかねない。一見、経営課題から外れたかのように見えるが、「過剰雇用」になっていないか、生産性は上がっているのか、常時チェックが必要なのだ。
シニアの再雇用は、障がい者雇用のような法定雇用率達成とは性質が違う。65歳までの雇用が定められたが、それは本人が働く意思と能力を持ち、会社として提示した雇用条件に本人が応じた場合に成立する。本来、仕事があるから人が必要なのであって、仕事のないところに雇用は生まれないはずだ。
本質的なことを言えば、シニアの評価は、実績を上げたから高い給与や待遇を望むものではなく、その働きが組織貢献し、自分の働きが役に立ったという、「役立ち感」が評価されることで、働く満足・意欲は大いに増進させることができることを忘れてはならない。このあたりは、セカンドキャリア期のシニアを上手く活用するための施策を、ファーストキャリアの施策を簡便化して運用しやすいものにするだけでも、十分だ。」