知的創造

■創作

◎春小雨早く歩けと山語る   禅智

 どんよりとした雨雲が空全体を覆っている。立山連邦はどうかと見れば、2900m以上は雲の中で稜線こそみえないものの、冷厳な青い山肌に白い雪がくっきりと映っている。
 てっきり見えないと思っていたので驚いた。また、稜線が隠れているため天から蓋をされているような閉塞感も感じる。
 風が強い。まあ、雨が降っていないので、良しとしよう。10分ほど経ってポツポツと降ってきた。あわてて傘を差すが風が強く閉じなければならない。風が強い間は、濡れながら歩くしかない。
 再び立山連邦を見ると、さっきまでくっきりとしていた山肌は、何もないかのように霞の奥であった。
あの山肌は、急ぎ足で歩けという教えではなかっただろうか、そうすれば濡れなかっただろうに、と少し悔しい。

■「知的創造の作法」(阿刀田 高著、新潮社、2013年)を読む。
 小説を書くにはためになった。
「読むに値する本は熟読してこそ初めてその価値が分かる。」
「Serendipity」「セレンヂピティとは〜なにかを執拗に探し続けていると、それとは関わりなく、特別に素晴らしいものを発見することがある」
「人は自分のことを語る時、これは常に自慢話である。」
「アイデア発見の第一歩はメモランダムなのだ。」
「一度書きあげた文章を〜1週間ほど机の中に入れておき〜時間をおいて見直した時に〜」
「書き留めるという習慣が思いのほか強い影響を脳味噌に与える」
「〜古典を見つけて、良く分析して〜」
「モチーフ〜何がいいたいのと燈た時の“なにが”に当たるもの」
「〜に年間の療養生活〜病床で山ほど短編小説を・・・・読んだことだ。」
「私は少し変な少年であったらしい。」
「どうしたらそういう脳味噌を育てられるんですか」「やっぱり読書でしょうね。〜」
「まず小説家は嘘つきだ。〜そして小説家はいい加減である。」
「読書はすばらしい」「この趣味を持っただけで人生どれほど得するかわからない。」
「私の読書法について言えば、ゆっくりと読む。精読の方だ。1日1冊くらい、3時間ほど、もちろん読まない日もある。」
「読書ノートをつけると、それに縛られそうな気がして、よろしくない」
「手書きの習慣が消えてしまって本当によいのだろうか。〜システムは便利ではあるけれど、何か大切なものを失ってしまうだろう。」