神々しい

■神々しい
◎立ち山が雲を従え神化かな    禅智
 偶然だろうが、立山連邦の2000m位以上が浮き出ており、下には白い雲が続いていた。いわゆる雲海が見える気候なのだろう。唖然としてしばらく動けなかった。
 昔から山は信仰の対象になっていたのだが、これこそ山が神になった瞬間ように思ってしまった。ちょうど、大日岳が顔に当り、真砂岳、雄山が肩になろうか。もう一つ、剣岳が顔で別山、毛勝三山が肩となり、神々しく畏怖の念が湧いて来る。
 もう一度見たくて外へ出る用事の時に山を見上げたが、積乱雲にかき消されて残念であった。
 夕方は、西の空から後光が射していた。積乱雲がにょきにょきといきり立ち、その後ろから夕陽が照らしているのだろう。雲の上から光の筋が幾本も伸びていた。
 夜は、満月である。今日は、神々しい一日になった。

■「森の時間」(前 登志夫著、冨山房インターナショナル、2014年)を読む。
 読めない漢字が多かった。
山岳信仰修験道という」
「夜の安らかな睡眠に入るきわに、このまま永久の眠りに入ってしまうのではないか〜」
「人間が清爽な山中の高みに登って菩薩になる〜」
「自分の人生の風景がなんとなく出来てしまう」
「吉野大峯山修験道の根本道場は、吉野山金峯山寺蔵王堂である。」
「〜ヒキガエルが神秘な鳴き声をひびかせる。そんな場所は必ず湧き水が滲んで一帯が湿っている〜」
「人は自分の死を予感して、臨終の時刻まで見定めることが本当にできるものなのか」
「鉱山師の多くが厳しい修行を自分に課する山岳修験者の風貌を併せ持つようになる。」
「〜読書人としての知的生活を大切にして〜」
「〜味噌と削り節と葱が〜山仕事をする者の共通したパターンである。」
「人は、二十年も三十年も過ぎてから、ある過去の光景が鮮やかに視えたり、その意味がわかったりするものだ。」