無題

■無題

■「未踏峰」(笹本稜平著、祥伝社、1999年)を読む。
「可能性とは、あらかじめ与えられているものではなく、与えられた条件の中で全力で行動することによって創造するものだ〜」
「しかし、山の魅力は高さだけではない。」
「〜希望とはいつも空手形と同義語だった。」
「人間は誰しもいずれ死ぬ。そして死はすべてを奪い去る。生前に積み重ねた努力を、その成果としての富や名声を、夢を、希望を、愛を―――。」
「〜ヒマラヤの青いケシと呼ばれるブルーポピーだ。」
「山に登ることを苦行にしてはいけない。人生はたった一度きり。その一刻一刻に生きる喜びを感じる場所として山はあるのだと――――。」
「人生には、そのときを逃せば一生悔いるような局面があるらしい。」
「金に飽かしてポーターやシェルパを雇い、その力を借りて力ずくで登頂するのは誰にでもできる。しかし、それじゃあ、なにも変わらない――――。」
「どんな山の頂だろうと、命と引き換えにするほど値打ちがあるものなど一つとしてない。」
「この程度のことでめげてしまうことこそが負け犬根性だ。ここで勝負できなければ、これからの人生そのものが負け戦になってしまう。」
「〜どんな人間だって、ただ生きているだけで意味がある〜」
「山にとって人間の命など、なんの価値もない。」
「だからこそ人は山に登るべきなのだと。人間がどれほど小さくひ弱な存在であるかを知るために――――。」
「しかし、すべてに満ち足りた人生などありえない。」
「生きることは闘いなのだと、闘いから逃げることは魂における自殺なのだと〜」
「〜打ち込みボルトや固定ロープをできるだけ使わないクリーンクライミング〜」
「山に魂を奪われる―――」
「人生に目的を持てと人は言う。しかしそのために人生の貴重な時間を浪費して、達成した目的が果たして人を幸福にするものなのか。」
「登山は死がルールとして組み込まれている唯一のスポーツ―――。」