あかい実

■あかい実
 朝からいい天気である。気分はトレーニングに向いていた。昨日から医者の指導の下、薬を一日おきに服用している。少し眠気が軽い。
 今日の指令は、移転開店したお菓子屋さんでお菓子を二袋買ってくることであった。開店30分前に着いたところ、ようやく車が駐車できたと思ったら、長蛇の列である。しかも、入場制限のプラカードもある。遠くから、ここが最後尾ですという声に従い並ぶ。粗品のお餅と力水をもらう。
 リンゴを一生懸命に食べているが一向に減らない。食前に食べて主食を減らそうということにしたが、果糖が多いので逆効果かもしれない。
 帰宅後、陽気に誘われて呉羽山に向かった。尾根道から歩き出す。病み上がりなので無理はしない。多くの方が歩いておられた。槍ヶ岳が見えるという方が話して来られいっしょについて行った。しかし、見えなかった。
 野鳥はちらほら鳴いていたが、今回も撮影ならずであった。代わりに、赤い実を撮ることにした。
 サルトリイバラ

 カラスウリ

 これはガマズミだろうか。ちょっと葉が分かりにくい。

 駐車場で下山した。アオノツヅラフジも成っていた。

 野鳥が撮れないので、反対側の五百羅漢側に向かうも、ボウズであった。
 昼寝対策にミスドに向かう。恐ろしく長い列が出来ている。今日は、行列が多い。しばらく眺めていると理由が分かった。スマホのAUユーザーの方に対してプレゼントがある日のようである。3の付く日は来ないに限る。列は途切れることなく続き、お代わりも回って来ない。自分から催促した。
 家人を迎えに行った後は、いっしょにフェリオで買い物である。まぐろを買って来た。今日の夕飯は、まぐろの山掛けであった。野沢菜漬けも買って来た。昨日の長野の余波があるようだ。

■「うつぼのひとりごと」(吉村萬壱著、亜紀書房、2017年)を読む。
「人間は哺乳類であるから、他の多くの哺乳類と同じく本来は夜行性なのではないかと思う。」
「〜人類は〜山を削り、木を切り倒し、生物を殺し、化石燃料を燃やし、大気を汚す。そういう生存方法を選択してしまった特異な種なのである。」
「水はただ無心であり自然である。」
「〜本当の人間の赤裸々な姿は実はゴミ捨て場の中にこそある〜」
「人は誰でも自分の中に空虚を抱えている。」(サルトル
「自然に翻弄されるほかない生き物が、自然を守るなどと口走るのは、おこがましい。」
「貧乏ごっこというのを始めた。」
「〜その生活において何の目的も認めない人は哀れである。」(フランクル
「〜意味のない人生を生きる在り方も〜当然尊重されるべきである〜」
「失敗のない人生などない。」
「善良で道徳的な人間が書いた小説なんてどこが面白いものか、悪い奴が書くから面白いんだよ。」
「文学とは、希望が絶えたその先を描くものだ〜」
「〜家系が断絶することの何が大問題なのかピンとこなかった。」
「弱りきった死に際の顔など、見られてたまるか。」
「〜歌というものは真面目に歌うものだ〜」
「学校(school)の語源はギリシャ語のスコレーで、これは暇という意味だそうだ。」
「人間が自己正当化に費やす時間と労力は膨大なもので、誰でも全力でこれをやっている〜」
「その時、人生において型にはまった活動しか知らずに過ごしてきた老人は、やがてその型についていけずに脱落し、無為の海へと沈んでいくような気がする。」
「金もかからず体力も必要としない何か自分だけの楽しみを、無から捻り出すことができれば老後は安泰である。」