総出

■総出
 天気予報は大雪のピークを過ぎたと報じている。すっかり安心して朝6時に玄関のドアを開けたら驚いた。この冬一番の積雪ではなかろうか。昨晩の除雪の跡が虚しく見えない。
 今日も車は不要と話してあったので家人が一番目を送り届けた後直接通勤する。朝の会話はゴミ頼むのみ。
 ゆっくりと朝食を摂り、いつもの散歩を兼ねてコーヒーショップに向かう。幸い雪は小康状態であった。ここは濡れた傘を入れる傘ポンが置いてあるが、自分は他人の使い古しを使う。まったく抵抗はない。
 さて、今日は何を頼もうかと注文台に立ってメニューを物色していると、デカフェですねと言われてしまった。ついに顔を覚えられてしまった。流れでそれでいいとプリペイドカードと小銭を出したが、残高があるので小銭は不要とのこと。指定席にしているカウンターは混んでいたのでテーブル席に座る。以前、コーヒーをこぼし図書館の本を弁償したテーブルである。2冊目の本はリュックにしまった。

 まったくよく積もったものだ。軽快なジャズを聞きながらコーヒーを飲み活字を追っていると、樹木に積もった雪が風であおられ白い雪煙となって舞い上がる。本白根山での噴石が落ちた時の雪煙とダブル。
 ここは徒歩5分〜10分で9時から準備しても9時半にはテーブルに着ける。
 店内で携帯で大声で長く話しをしている高齢者が居た。今の若者の方が礼儀を心得ている。まったく、人の迷惑を考えないのか、考えないのだろうなあ。もうそういう機能が退化していると思う。悪い見本にしよう。
 昼になったので出る。幸い雪は弱まっていた。昨日からカフェインを解禁した。自宅に買い置きしてあるコーヒーが無くなるまでの時限措置である。
 さて、昼はどうするか。冷凍庫を探っていると、丸い塊が出て来た。ゴミかと思ったが、よく見ると有峰でもらったムキタケであった。もう使い切ったと思っていたが残っていたようだ。天ぷらにする。ご飯が残っていたのでチャーハンも作ろう。ネギたっぷりのネギチャーハンである。
 ムキタケが解凍する間にきゅうりの本漬けを行う。今回は、前のロットのつけ汁を再利用である。

 買い置きを使ったので実質ゼロ円であるが、ワンダラーランチ達成である。天ぷらの小麦粉が余ったので、かき揚げも付けた。ムキタケは風味は抜けていたが触感は残っていて良かった。
 そして、本日2回目の除雪を行う。流石に疲れる。
 夕方、玄関先が明るいのに気が付く。向かいの人が車のライトを点けて除雪をしている。別の家からは除雪機の音も聞こえる。3回目の除雪をすることにした。表へ出ると、二軒隣の家でも除雪をされており、さながら町内総出の除雪になった。

■「気になる木がわかる」(林 将之著、廣済堂出版、2011年)を読む。(その16)
「早春に咲く黄色い花
① キブシ・・・長い穂になってぶら下がる、弓なりの枝、葉の形に変異が多い
② マンサク・・花びらはヒモ状、波形の鋸歯、赤花もある
③ トサミズキ・・花は4cmほどの穂に10個ほど、葉脈は直線的、ヒョウガミズキは一回り小さい
④ アブラチャン・・・枝は互生、小さな花が玉状、ダンコウバイやクロモジに似る葉柄は赤みがある
サンシュユ・・・枝は対生、葉先は長く伸びる」
「秋〜冬に目立つ実
ムラサキシキブ・・・葉はひし形に近い、主脈や若い枝が紫色、昨年の果柄が残る
鋸歯は全体であるが、コムラサキは先半分のみ、冬芽は白い
② ミヤマシキミ・・・樹高は1m、雪の多い地域は50cmでツルシキミと呼ばれる、有毒、シキミとは異なる仲間、葉をちぎると柑橘系の芳香
③ イボタノキ・・・カイガラムシから蝋を取り、いぼ取りに使った、葉先は丸い、主脈がくぼむ、初夏に白色、実は秋に熟す
ゴンズイ・・・・樹皮は黒字に白い縦筋で魚のゴンズイに似る、実は房になる
⑤ イソノキ・・・・葉はコクサギ型葉序、実は赤から黒で2色混在」
「黄緑色の花
ニシキギ・・・鋸歯のある葉が対生、古い枝も緑色、葉の先端で最大幅、枝の一部に翼がある、野生の個体は翼がないことも多く、コマユミとも呼ばれる
② マユミ・・・・葉は楕円形で中央で最大幅、実は4つに裂けぶら下がる、花びらも4枚
③ ツリバナ・・・葉は中央部で最大幅、花びらは5枚で実も5つに分かれる
④ クロモジ・・・緑の枝に黒い模様が入る、枝葉をちぎるとさわやかな芳香
⑤ ヤマブキ・・・大小二重の重鋸歯」