三度目

■三度目
 今日も朝から一番目、家人、三番目と送迎がありいっぷくできたのは11時を回ったところであった。朝方は10cmほど新雪が積もっていたが、その後の日射しによって夕方はあらかた消えてしまった。
 昼食前に古洞へ向かう。3日も空けずに通っている。出会える確率が3割ほどと見ており、3回行けば一回ぐらい顔を出してくれるだろう。午前中なので前回とは違うバリエーションである。歩き始めて、向こうからご婦人方が4〜5名戻って来られるのに出会った。朝早くから熱心なことだと思っていると、一人が話しかけてこられた。なんと、県内で初めてアカハシハジロを見つけたYさんであった。確か、福野か福光に住んでおられたはずである。彼女たちもお目当てには出会えなかったようだ。今日は幾分、野鳥が濃い。カラ属が群れで飛んでいる。うまい具合に順光である。何か混ざっていないかと次々と撮っていたが、感触はなかった。
 シジュウカラ

 これもシジュウカラだと思うが、線が見えないので角度の問題なのだろう。

 しばらく歩くと、望遠を小脇に抱えた男性に出会う。キクイタダキを狙って来たという。何度も往復されているようだ。
 前回不確かな野鳥も明確にしたかったので積雪の中ゴボリながら先まで行った。今日は双眼鏡も持参していたのでゆっくりと一羽ずつ確認していたが、出会いはなかった。
 帰路でもエナガの群れがいるので、一枚撮る。アカゲラらしい声、ヤマガラ、聞いたことのない声もあったが、今回が正直な姿だろう。三度目の正直。

■「山の怪異譚」(山の怪と民族研究会編、河出書房新社、2017年)を読む。
「山の中に入るといつも願うのだが、早く自然の真只中に入りこみたい、自然と同化してしまい、その規律の中で呼吸したいと願う。」
「山に対峙して生を営む山郷の人々にとって山は信仰である。」
「とにかくフトコロはわびしいけれども、ひまだけはフンダンにとはいえなくとも、なんとでもなった時代だった。」
「ブロッケンの妖怪は山の頂上で、ごくたまに見られる光学現象の一種である。ブロッケン山(ドイツ)の頂上でよく見られるのでこの言葉が生まれたといわれる。」
「〜恐ろしい倹約と勤勉〜」