外見

■外見

 今日も暑くなりそうである。家人は自家用車で出勤し、子供は友人が迎えに来るということなので、今日は拘束がない。ついでに、朝食もない。いわゆる、日常が始まるのである。

 まずは、徒歩でセカンドオフィスへ向かう。朝は日陰が出来にくいので途中からアーケードの中を歩いた。セカンドオフィスは、テーブルも元に戻り、やや混みであった。

 しかし、日常のつもりが非日常があった。いつものように、図鑑と格闘していると隣に座っている方から声掛けされた。「いつも図鑑を見てらっしゃるようですが、大学の先生ですか?」という。一瞬返事が返せなかった。何かの本に高齢者ほど身なりにこだわらなければならないと書いてあった。これまで、自分がどのように見られているかは眼中になかった。(これが、ダメなのである)まあ、清潔にはしているつもりであるが、身に着ける衣服は安物ばかりである。それが大学教授に見えているとは、冗談にも考えたことはなかった。一回り以上年上の蕎麦屋さんであった。植物のことに詳しくこちらが舌を巻いたくらいである。行けば、必ず見ているので今後の展開が楽しみである。名刺を渡したら、LINEが届いた。

 昼は決まっていた。暑いのでザルウドンだろうと、昨晩打っておいた。帰宅後、冷蔵庫で寝かしてある塊を足で踏んで、折り曲げて、また踏んでと繰り返し、寝かせる。

 その間にてんぷらの準備である。

 伸ばして切って茹でる。

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 今回もうまくいったようだ。自分で打ったうどんを三立てで食べる。

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 扇風機を掛けて昼寝をし、夕方近くの公園を散歩する。ビワが成っていたのでいただく。ビワは、先の方から皮を剥けば剥きやすい。花が咲いている。キョウチクトウである。毒樹である。

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■「うつくしが丘の不幸の家」(町田そのこ著、東京創元社、2019年)を読む。

枇杷~このお茶も胃腸を整えてくれるし、煮詰めたら塗り薬として日焼けやかゆみ止めになるのよ。」

「腕を情で買ってのらうようになっちゃお終いだ~」

「古いものが去るときは、流れが変わって溜まっていた悪いものまで全部浚っていってくれる~」

「すべての物事には前兆というものがある。」

「死者はしがらみに縛られない。」

「自分の勝手で背負ったものは自分が責任を持って背負って歩くべきです。」

「わたしは生まれたこと自体がもう、負けだったんだと思う。」

「~夢ってとても乱暴な言葉だ~」