ランチのはずが・・・

■ランチのはずが・・・

 今日は雨模様の天気予報であった。昨晩、知人のTさんからランチのお誘いを受けていたため、予定に悩む必要はなかった。6時に起床し、朝食を摂り、7時前には家を出る。雨は小降りであった。家を出るときにはバスで向かうつもりであったが、バス停に着くころにはさらに弱くなり、傘を差さないで歩いている人も見えた。そのため、そのまま徒歩で向かう。

 いつもの常連さんが入店され、いろいろな話で盛り上がる。定年後に苦労する事柄として、会話減少がとりだたされている。知らない方と、いろいろ話したり聞いたりすることは、貴重な習慣になろう。人間、年金をもらうくらいまで生きていると、一冊の本が書けるほどの人生のドラマがあるものだ。こういったことを聞いたりすると、自分の知らない世界が広がってくる。

 知人のTさんと待ち合わせ場所に向かい、ピックアップしていただく。実は、どこへ行くかは知らされていない。自分の情報はランチということである。車は、R8に向かったので、新しく出来たラーメン屋さんかなと助手席でいろいろ予想した店を揚げるが違っているようだ。カレーウドンかな、と思っていると車は高岡を過ぎてR160に入ったところである。いったいどこへ行くのだろうか。

 到着したのは氷見のお寿司屋さんであった。こじんまりとした店で、チェーン店の回転ずしではない。ナニ?寿司ランチかと驚いた。今週年金を降ろしたばかりなので、手もちは少しあるが、握りずしかと内心ビクビクしながら後に付いて入る。

 メニューには、何種類かのランチメニューが載っている。「いつもはこれ!」と知人のTさんが指さしたメニューは、「上にぎり」であった。自分は目移りしていたが、同じ品にした。氷見の寿司と言えば全国区であろう。店には回転ずしとしても機能できるような設備があったが、自分たちはセットメニューにした。

 出て来たのを見て驚いた。

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 素人目にもネタの鮮度が分かる。

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 少し値は張ったが、美味しい物は人を優しくしてくれるとほおばった。最初は、烏賊である。こりこりの新鮮さが口いっぱいに広がった。さっきまで海で泳いでいたのではなかろうかと思った。流石に上にぎりである。

 いっしょに付いてきたあら汁も絶品であった。あらが入っていたが、綺麗に切られた大トロであった。ガリも美味しい。満点である。

 これで帰るのかと考えていたが、次いでということで、公園に向かう。この時、不思議なことが起こった。雨が止んだのである。

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 やはり自然はいい。展望台まで登り雨上がりのすがすがしい空気を胸いっぱいに満喫して車に戻ろうとすると、ポツポツと降って来た。ギリギリセーフである。

 これで帰るのかと思っていたが、帰路とは反対側に向かうではないか。温泉までは行けないが足湯に行こうと進める。番屋街の近くの施設に向かう。

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 足湯はポンプの故障ということで入ることは出来なかった。そのため、氷見寒ブリを見に行った。今年は豊漁と報道されている。

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 ランチと聞いていたので、いよいよ帰るのかと考えてると、藁で作った造形物を見に行くという。隣町である。自分は造園学校時代に近い物は作っていたが、ここまで精巧なものは作れない。

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 ここまで来ると、少し小腹が空いてくる。ラーメン屋さんという話も出ていたが、自分がたこ焼き屋さんで感謝祭をやっているといい。390円で食べられるというと、そこへ向かった。行列ができている。昨年は地元で1時間ほど並んだ覚えがある。

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 熱々を箸で食べるとちょうどお腹に収まった。久しぶりに食べたが旨かった。

 そのまま帰路に着き、近くでコーヒーを飲んで送っていただいた。日ごろ握りずしと言えば回転ずしが多い自分にとっては、感動的な寿司であった。まだ、烏賊の甘みやカニの旨みが口の中に残っているようだ。