無題

■無題

 最近、物忘れが顕著である。集中力も薄れている。もう少しで、自転車とぶつかるところであった。こういうのばっかりである。いつかは、事故!

 予定表を確認したら今日は、チャージの日である。毎月1日に決まっているが、たまにメールが来て月の半ばにもチャージの日がある。車なので、国道近くの店にした。

 9時開店であるが、15分ほど早く着いてしまった。9時になったが、もう駐車場は7割方埋まっている。ところが9時になっても開かない。扉の前には10人以上の待ちが出来ている。9時5分には自動ドアが開いて並んでいる方々はなだれ込んだ。

 この店に来るのは久しぶりである。いつも激混みなので敬遠している。モーニングセットを頼む。最近メニューが変わったが、同時に値段も上がった。

 窓際の一人席を選ぶ。

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 今日は雨である。シラカシの緑とテラスに落ちる雨の波紋が気持ちを落ち着かせる。自然に何も考えなくなる。この後の予定を反すうする。子供はオンライン面接とかで11時まで帰宅禁止である。モーニングを食べながらも昼食のことを考えている。

 静と動。テーブルを挟んで自分より年下に見える高齢者も本を読んでいる。自分と似たようなことをやっている。シラカシの静と雨の動であるが、じっと見ていると、動かない、いや動いてほしくないシラカシの枝が微妙に首を振っている。

 今朝は焦ったね。昨日のブログを確認しようとしたら、なんと忘れていることに気が付いた。無意識ですっ飛ばしたのは初めてではなかろうか。幸い、誰も被害がない。

 時間になったので店を出る。幹線道路を左折したとたんに、対面から右折する覆面パトカーがサイレンを鳴らし、ハザードも点滅させて真横に並んでしばらく並走する。

 ああ、やってしまったか!と観念した。自分がスピードを落としら、パトカーは、まるで煽り運転のように自分の前に割り込んだ。そうして、信号で停まった。助手席から警官が降りて来た。しかし、警官の行った先は、2台前のトラックであった。近くのスペースまで誘導した。自分ではなかったのだ。

 しかし、これは近未来の予言ではなかろうか。高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いや逆走が報じられているが、最近他人事には思えなくなっている。見ているようで見ていない。確実にブレーキをを踏んでだつもりがアクセルであった。自分の長年の運転歴では、こっちが走行線だと思い逆走する。高齢者は、いい年で長年の経験でそんなものぐらい分かるだろうというのは、高齢者になったことのない意見ではないか。自分にあてはめてみると、日々、身体の変調や訳の分からないことに疲労しているのである。高齢者といえども高齢には初心者なのである。

 昼食はいつもの蕎麦である。天ぷらはニンジンである。今日の天ぷらはいい出来であった。蕎麦は、おろし蕎麦にしたが、ダイコンを下すことにエネルギーをだいぶ費やした。これは、考えなければならない。

 スーパーへ行って、蕎麦の名産地の名前の入っている蕎麦の成分表示を見た。つなぎがどれくらい入っているかなあというのが動機であった。しかし、最初に書いてあるのはうどん粉、続いて蕎麦粉になっていた。ということは、うどん粉が半分以上入っているということなのか。別に、多い物順に書くということではないのか。先日、ソーメンのようだと感じたが、この感覚は合っていたのかもしれない。ついこの間まで、この蕎麦は旨い旨いと食べていたのが情けないねえ。

■「“無言館”の庭から」(窪島誠一郎著、鴨川出版、2020年)を読む。

「~自分という人間が何を考え、何を求めて生きてきたのか~」

「~今や手をのばせばすぐ届くところに“人生の終焉”はある。」

「~この当時の若者の精神的支柱となっていたのが“読書”だった。」

「書物を愛することを知らない人は、知を愛することを知らない人である。」

「知識を得るには本の体裁等どうでもよい。」

「生きているかぎり新しい知識を得、深い思索の時をもちたい。」

「つくづく人間とは弱いもので、健康がそこなわれれば、知識の吸収だとか人格の向上なんて二の次になる~」

「人は普段、いつもの平穏な日常が続くことを疑わない。」

「人間の命には限りがある。」

「神さま、あと一日私を生かせておいて下さい。」

「~人間はいつどこで死ぬかわからないのだ~」

「~そもそも“文化”とはふだん役に立たないシロモノ。~人生の必需品なのだ。」

「この国はお金を払えば幸せが買えると思っている人が多い~」

「人間にそなわっている死に対する鈍感さも、じつは一つの生命力である~」

「何でも病名は原因不明の“顔面麻痺”だそうで、ある日とつぜん顔の半分が動かなくなり片眼が開いたままふさがらなくなった。」

「~あたかも“人間が生きること”とは“物質的な豊かさを手に入れること”と信じることでしか安心感を抱けず~」

「~自分が生をうけたこの国を“ウソつき日本”とよんではばからぬ男である。」

「~一番幸せな最後は“自然死”であり“老衰死”だろう。」

「~だいたい“物書き”の現役寿命は八十歳くらいが平均~」

「~最後の一行までウソのない、自分の本当の言葉を書いて死んでゆきたいな。」

「死ぬ時間はない」

「生ききる」

「だいたい、“評判”がいいものは疑ってかかれというのが私の信条である。」

「一冊の本を出すことは一通の遺書をのこすこと~」