間食

「作家の昼下がり」(舟崎克彦著、パロル舎、2010年)を読む。
 エッセイ集であった。エッセイはいい。短い文章に知己が凝集されている。中でも『催尿法師』は面白かった。数分間声を出して笑いこけた。著者は若いころにいろいろなことに挑戦したが、それらが最終的につながって来たと書いている。自分の実体験でも真実であると思う。一見関係の無いこともどこかでつながっており、不思議な経験をする。逆に
専門しかない人の書いた書物は面白くないというか、薄っぺらになるのではと思う。

間食
 本がなかなか読めない。別に競っているわけでもないし、それはそれでいい。最近、通勤途中にドラッグストアが開店した。帰り道沿いである。2、3日に一度の頻度で買い物をしている。買うのは、お菓子である。だいたい3,4個買って500円以下が多い。
 「かきのたね」は切らさず買っている。右手に本を持ち、眼で読みながら、
左手は規則正しく、お菓子の缶のなかの「かきのたね」をつまみ、そうでないときは、コーヒーカップの持ち手をつまむ。しかしときどき誤動作する。コーヒーカップの中に指を3本入れ「かきのたね」をつまもうとした。どうぜん、指はコーヒー色に染まった。あぁ!私は、本を片手で裏返しにして、洗面所に向かう。
 間食は肥満の原因なので家人からは注意を受けている。昼食も菓子パンではなく食パンにせよと意見をもらっている。しかし、食べたいものも食べないで何が人生かと内心反抗している。健康診断のABCが評価結果である。肥満度やBMI肝機能障害がAであればいいが、Cになると深刻である。
 冬は山へいけないのでどうしようか考えている。昨年も11月に雄山へ登頂していると思っているが11月の雪質の記憶があいまいである。無理をせず、少し歩いてみようか。本当は、静かな冬山のたたずまいが見たいのである。黙って見ているだけで時間を忘れる。完全に無になれる瞬間がある。山は雪山が一番好きだ。