春雨

■「自立社会への道」(筧 次郎著、新泉社、2012年)を読む。
 同じことであっても「視座」によってまったく異なる内容になる、は名言であろう。
心に響く言葉のオンパレードである。いちいち控えていたら膨大になるので、やめる。弟子入りしたい衝動に駆られた。手紙くらいは書こうかと思いながら読み進んだ。
 工業社会は収穫社会である。便利になったことを進歩したと勘違いしている愚かな人が多い。全ては太陽が生んでいる。欲望の追求では幸福は得られない、至言である。
 同じ作家の本を意識的に読もうと思ったことは、学生時代以来であるが、この人の本は全て読んでみたいと考えている。
 最後のおびただしい参考文献は眼を見張るものがあった。

■春雨
 職場から出たが、雨は降ってないように思えた。傘を畳んで帰路に着く。まもなく信号で車のヘッドライド越しに無数の雨がキラメいて見える。慌てて傘をさした。細かい雨が降っている。これは、春雨だと確信した。
 「春雨じゃ〜 濡れて行こう」というのがあったが、確かに少しぐらいではずぶ濡れにはならない雨である。いや、霧の強い方といった方が近いと思う。
春の足音が確実に近付いてくるのを感じられる通勤路であった。