牧歌的

■「忘れる力」(外山滋比古著、潮出版社、2012年)を読む。
 薄い本であった割には時間がかかった。内容が言語論のようなもので堅かったか。しかし、著者のウイットは至るところにあふれており、読後の印象はよかった。
 最近、テレビの音を出し始めたため、気が散って読み進めなかったと思ったりしている。

■牧歌的
 筧氏の本を読んで考えた。自分も10年以上前に自給自足を検討していた。
 それは、世の中に対して何か予感が走ったからである。何かは分かっていなかったし、今も分からない。ただ、何となくであった。
 このことは、家人にも大分話してあるので覚えているだろう。
 しかし、当時自分の甲斐性では全然ダメで妥協策として自給率を上げることを目指し、太陽光発電、雨水利用、プランター栽培とやったが、今を持って続いているのは、太陽光発電だけである。
 そのころの考えに「牧歌的生活」への憧れのようなものがあったことは否定できない。
 何か収入を得る仕事の合間に畑仕事をして、四季の彩りや自然を感じながら
生活することである。
 しかし、「百姓の思想」を読んで自分の甘さを痛感している。
 戦後、ヤミ米を食べないという強い意思を貫いて餓死された裁判官がおられた
ことを何かの本で読んだ。農家ではなく百姓にこだわるためには、死んでも貫くという覚悟が必要であるとが伝わった。