ひらめき

■「日本の田舎は宝の山」(曽根原久司著、日本経済新聞出版社、2011年)を読む。
 金融コンサルタントを経てNPOを立ち上げいろいろなプロジェクトを成功されている人である。読んでいて引き込まれる箇所が多くあった。単に自分だけでやるのではなく、周りを巻き込む、事業家するということに拍手を送りたい。自給自足というと自分だけでつましく生きるというイメージを持っていたが、ここまでダイナミックに出来ることを知っただけで価値があると思う。

■ひらめき
 購読している雑誌の内容の部分コピーである。
「だが今や、スピード命、生産性命、すべては、結果命の時代だ。
 職場からも、働く人たちからもむしり取るものが何も残っていないほど、無駄のない、遊びのない、ガチガチの働き方が強いられる世の中になってしまったのである。そんな過酷な状況で、「これ以上無理!」というのが現場の人たちの本音なのだろう。
 それに、一見無駄に思える時間は、人間の創造性を育む、実に大切な “無駄な時間”だ。
 ボーっとする無駄な時間が、人間の想像力をかき立てることは、様々な心理学実験などでも確かめられている。
 例えば英イーストアングリア大学教授で、心理学者のテレサ・ベルトンらは、過去の学者たちが明らかにした「無駄の時間の効用」の文献をレビューし、心が無になるような退屈な時間を経験することのある人ほど、発想力や創造力が豊かで、新しいことにチャレンジする傾向が強いことを示した。
 以前、脳科学を研究しているという先生とお仕事でご一緒した時に、発想力や想像力は、脳に少しばかりの空きスペースができた時に生まれるということを教えてくださった。
 必死で考えようと脳を酷使している時よりも、リラックスしたり、ボーっとしたり、脳を休ませてあげる方がひらめくそうだ。」
 この話は事実だろう。山を歩いている時に素晴らしいアイデアが生まれたという話に枚挙にいとまがない。いままでの社会は自分で自分の首を絞めて来ただけのような気がする。