社員リストラが招くリスク 

■「ここを出ろ、そして生きろ」(松原耕二著、新潮社、2011年)を読む。
 国際紛争で働くNGOの話である。ハッピーエンドでは無かったことが意外で会った。長かったが読みやすい小説である。事実に基づいているのか、ドキュメンタリーのようであった。戦争は悲惨である。

■社員リストラが招くリスク 
 新聞からの抜粋である。
 「人は最大のデータベースだ。どれほどシステムが発達し、記録媒体が進化しようと、人に勝るデータベースはない。仕事に関する様々な知識はもちろん、業務の進め方の微妙なノウハウ、取引先との人間関係のニュアンスにまで踏み込んだきめ細かな情報。人の頭脳には莫大な情報が詰まっている。そのことは普段は意識されにくい。だからこそ「いつ辞めてもらってもいいんだぞ! 君の代わりはいくらでもいる」などという、パワーハラスメント発言が時として社内で飛び交う。だが、人の大切さを思い知らされるのは、いつもその人が会社を辞めたときだ。
一般の従業員に対しても、退職に際して「営業秘密」の漏洩を禁じる契約を結ぶことは可能だ。こうした守秘義務契約を結んだ従業員が秘密を漏らした場合、不正競争防止法違反として、その従業員や秘密を聞き出した相手企業に対して、刑事罰や損害賠償請求を問うことができる。
(1) 秘密として管理されていたか(2)有用な営業上または技術上の情報といえるか(3)公然と知られていないか――の3つだ。この条件を満たした情報が法的な保護を受けられる営業秘密になる。 
研究者や技術者には、自分が取り組んだ研究成果を会社や他人に渡したくないという意識もあるだろう。会社は従業員の研究開発の意欲をそがないよう配慮しつつ、情報漏洩を防ぐルールを定め、従業員はそれに従うことが求められる。」