アニメ業界

■「過ぎゆき」(半井 澄子著、近代文藝社、2012年)を読む。
 どこの家庭にでも起こり得る病気と死。少し苦手なモチーフであった。中編が7編あり、短編や長編と異なり読みやすかった。

■アニメ業界
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「この1年数ヵ月、仕事がない。仕事を取り上げられ、何もすることがない。他の社員は、自分から離れていく。話す相手もいない。孤独で、空しくなる」
 2年ほど前より上司から退職強要を受けているのだという。退職強要は会社が本人の意思に反し、退職を繰り返し迫ること。「不当な行為」であり、民法の損害賠償の請求対象行為と言われる。
今年9月に直属の上司から渡された「改善指導書」を見せてくれた。書類の右上には、上司の氏名が書かれてある。私には、弁護士が書いたものに見えた。
「貴殿は・・・・・・会社の期待する成果を上げることができませんでした。当社は、貴殿に対し、改善指導を行ってきました。しかしながら、そのような改善指導をしたにもかかわらず、貴殿は・・・・・・」
第一に、会社と社員の信頼感がここまで壊れ切ってしまっていること、第二に、会社が生き延びるためのリストラ策として、意にそぐわない社員をここまで執拗に追い詰めようとしていること、そして第三に、背水の陣を敷くべき立場の社員たち自身が、自分の向かう先をはっきり見定めることができず、迷いの中にいるであろうこと――。