5年後に必要とされる人材か

■「週末カミング」(柴崎友香著、角川書店、2013年)を読む。
 タイトルが見たこともない単語である。奇を衒っているのだと思うが、中身は日常の話である。特に事件らしいものはない。あとがきで分かったが週末に起きそうなことを綴ったとのこと。登山の話もありそれなりに良かった。考えようによっては、何の変哲もない日常を描くことのほうが難しいのではないだろうか。最初は、とっつき悪かったが、読後感はさわやかであった。

■5年後に必要とされる人材か
日経ビジネスからの抜粋である。
「冷静に社内を見渡せば、ラインを外れた50代は仕事がない。早期退職という名のリストラに遭ったり、「え? そんな仕事をやらされてしまうのか?」とショックを受けるたりするようにはなりたくない。踏み出したいけど、踏み出せない。踏み出すと言っても何をしたらいいのか分からない。そんな自分に、喘いでいるのだ。
 そう言えば以前、「日本のサラリーマン社会は、見て見ないふり症候群の輩であふれている」と、53歳で就活をして転職した男性が嘆いていて、「なるほどなぁ」と感心したことがあった。
米国の組織心理学者のローラ・ナッシュらは、「自分らしい生き方を手に入れるコツ」を探ろうと、100人近い、世間からは「成功者」と呼ばれている人たちにインタビューと、観察実験を行っている。
 その結果、「人と競争したり、世間の価値観に合わせようとしていたのでは、自分らしい成功をつかむことはできない」とし、「幸福感・達成感・存在意義・育成」の4つの要素をバランスよく得られる状況に、“人生の友”として関わり続けるプロセスの重要性を説いた。 」
「もしあなたが19歳で、1年中寝てばかりいて生産的なことをしなければ、20歳になります。もし私が87歳で、1年中寝たきりでいたら、88歳になります。誰だって年老いていくことはできます。特別な能力や才能はいりません。大事なのは、いつも『成長する』機会を見つけることです」
 「年長者は、『やったこと』への後悔はありません。でも、『やらなかったこと』への後悔はたくさんあります。死を恐れるのは、いつも後悔ばかりしている人です」