Kさん

■Kさん

 今日も家人は運動不足解消で自転車通勤である。自分も徒歩でセカンドオフィスへ向かう。いつもの常連さん達と世間話が弾む。今日はカレー屋さんの話で持ちきりであった。なんとなく、気になったものでスマホで新聞を出す。まあ、最初の紙面はまったく興味がないのでお悔やみ欄まで飛ばす。今日も50代、60代が載っている。年齢しか見てないのであるが、65歳となっている方の名前を確認した。はて、どこかで見たような名前である。まさか、同姓同名だろうと考えていたが、年齢的に近い。そこで、協会の方にLINEで問い合わせる。返事は直ぐに来た。やはり、あの方であった。

 自分はそんなに懇意にしていたわけではないが、自然解説員のが合宿研修の時に出会ったのが最初であった。その後、二次会で部屋で飲み始めた時にも入って来られた。どう見ても自分より5歳ほど下に見えた。童顔で笑みを絶やさず弁も長けていた。

 自然にかかわるとこうなるのかと、一種の憧れに似た感じを持ったことを思い出している。何回か会話もしたが、今でも忘れられないのは、多趣味な方で、蕎麦打ち5段という話であった。当時麺打ちなど遠い世界の出来事だと考えていたので、新鮮な驚きとともに話に聞き入った。年齢を聞いて驚いた。自分より年上であった。まあ、2歳違いではあるが・・・。仮に二人で並んで知らない人にどっちが年上かを尋ねると、9割以上は自分を指すであろう。ほんとうに、あの時のKさんは、きらきら輝いていた。

 65歳という年齢は、亡くなるにはそんなに驚かない。60歳を越えたらいつお迎えが来てもおかしくないと考えているが、あのKさんとは、信じられない思いであった。(合掌)

 そこで、昼食はKさんのことを思いながらてんぷらおろし蕎麦にした。

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 今日は暑かった。冷房を付けながら昼寝をしていたら、あまりの寒さで起きてしまった。3時間も眠ってしまったようだ。

 夕方、フォレストの準備作業を行う。汗だくである。部屋に戻っての冷たいコーラがおいしかったね。

■「余生と厭世」(アネ・カトリーネ・ボーマン著、早川書房、2020年)を読む。

「72歳で退職するとすれば、残された時間はあと五か月だ。」

「何しろ私はたいてい思いにふけりながら歩いているし~」

「全て過ぎ去り、元通りになります。」

「~死は目の前に来るまで、わからないものです。本当の意味では」