ランニングとウォーキング

■「高木仁三郎セレクション」(佐高 信・中里英章編、岩浪書店、2012年)を読む。
 もう亡くなられた方だが、生前の著作物をセレクトしてある。その先見性には舌を巻いた。原子力研究者であったが、その危険性を早くから指摘していた。著者の若かりしころの話として「手当たり次第に本を読み漁っていた記憶がある」という。驚いたのは、先ごろ福島原発放射能漏れに対して、『自然にも放射能がある』ので、この位は大丈夫という論調が大勢を占めていたことが思い出されたが、それは過去の核実験の放射能の影響だと分かり戦慄を覚えた。著者は大学辞め資料室を作った。「資料室をつくってからも、五年先、十年先に、世界からどういう方向が求められるか、どういう方向にわれわれは行かなければならないか、いつも考えながらやってきた。」
「便利、効率的といわれる裏側には、しかし破壊的な危機が含まれている。」
「インターネットの中で回っている情報がすべてかというと、そうではなくて、〜真に重要な情報が隠される部分がある」
「生きている限り、少しでも自分の生きているという証を、この世に残しておこうと思ってしまう。」
「無言が胸の中で唸っている 行為で語れないならばその胸が張り裂けても黙っていろ 腐った勝利に鼻はまがる」(萩原恭次郎

■ランニングとウォーキング
msmニュースからの抜粋である。
 「走るべきか、歩くべきか。この質問は少なくとも30年以上、医師や運動好きの人を悩ませてきた。いまでは、ある研究がいくつかの点を解明している。同じカロリー消費ならウォーキングのほうが健康にいいが、ランニングのほうが早く痩せられるというのだ。
 ランニングをする人が痩せていて、トレーニングで消費したカロリーが同じだとしても、ウォーキングをする人よりも簡単に痩せられることを示している。肥満の場合は特にそうだった。しかし2つ目は、ウォーキングが高血圧や高コレステロール、糖尿病を予防するのに最良の選択だということを強調している。これらは心臓疾患の主原因だが、こうしたさまざまな病気は体重の増加と関係しているのではなかっただろうか? では、どちらが健康によいのだろうか?
 科学的に評価すれば、結果は本質的には同じようなものだ(数値については記事の最後を参照のこと)。言い換えれば、しっかりした足取りで歩いたり坂道を歩いたりするのは、走るよりも少しだけ健康にいいと言うことはできる。しかし重要なのは、運動に時間を割くことだ。」
 「人々はいつも運動をしないでテレビの前に座っているための言いわけを求めています。しかし、この長期間の調査が示しているのはたったひとつです。ランニングもウォーキングも、どちらも健康を増進し、心臓疾患に関連するリスクを減らすということです」。