いつまで働きたいですか

■「自分整理のすすめ」(阿部絢子著、中経出版、2013年)を読む。
 5S活動で整理とは、いらないものを捨てることと定義されている。自分整理とは自分を整理することと考えていたものだ。「一人で生きる力を得て最後を悔いないために」というのが著者の定義らしい。
「もしも自分が老いていくことを『怖い』『不安だ』と感じるとしたら、それは現実をしっかり見据えていないからではないだろうか」
「『今』を逃すと、もう『次』はない。」
「人生最終章にやりたいこと」
「満足して一生を終えるためには“懸命”にならないほうがいい」
「しっかりと『やりたいこと』を持ち、〜節約もまた楽しいものになるのだ。」
「親子でも夫婦でも、依存しないほうがいい」
「殻をかぶっている人とは、誰もつきあいたいとは思わない。」

■いつまで働きたいですか
日経ビジネスからの抜粋である。
「日本にいる15歳以上(高校生以上)から69歳までの男女3410人に尋ねてみた。現在働いていない方には今後の意向として同じ質問をした。
 最も多かった回答は「体が動き続ける限り、働きたい」というもので回答者の40.4%がこれを選んだ。次に多かったのが「子供の自立、ある一定の年齢など自分で決めた時期までは働きたい」(39.5%)である。「できるだけ早く働くのを止めたい」は7.5%、「現在、働いておらず、今後も働くつもりはない」は12.5%だった。
こうした傾向を示した理由と思われることを挙げてみよう。
(1)生活:生きていくために稼ぎ続けないといけない。年金に頼れない。
(2)健康:仕事を止めてしまうとそれまでより頭や体を使わなくなる。趣味や運動だけで毎日を過ごすのは難しい。
(3)快楽:その仕事が性に合っており、続けていることが楽しい。
(4)貢献:自分の力を世の中に役立てたい。地域社会に貢献する仕事をしてみたい。
今後増えると思われる新しい働き方を5点提示し、関心があるかどうかを尋ねた。5点とは次の通りである。
1:仕事の内容、労働時間、勤務場所などについて取り決めてから働く
2:自分の専門能力や人脈を生かした個人事業主になり、複数の組織とともに働く
3:起業に参画し、新たな企業で働く
4:専門分野の学会や団体に参加したり、社会貢献などを目指す非営利組織(NPO)のメンバーとして働く
5:複数の企業あるいは複数の部門にまたがるチームのメンバーとしても働く
ドラッカーは1999年に出した『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)の中で「知識労働者は何歳になっても終わることがない。
ずっと仕事をしてきた人が新たな「専門能力や知識」を身に付けるのは難しいと書いたが、具体的個別の世界と抽象的汎用の世界を往復できる人にとってはそうでもない。自分が長年続けてきた仕事から汎用的な部分を見極め、それを生かしつつ、次の仕事の個別部分を足していけばよいからだ。それをしないで新しい仕事を一から全部習得しようとすると大変である。」