終身雇用と年功序列

■「散歩」(小林聡美著、幻冬舎、2013年)を読む。
 歩きながら(たぶん)ICレコーダに録音した会話を活字にした本であった。何人も相手や場所が変わる。こうい本をどこかで読んだことがある。自分には向いていないようだ。作家が、寿命を縮めながら言葉を探し文を考えた書物がいいと思う。半分で辞めてしまった。

■終身雇用と年功序列
日経ビジネスからの抜粋である。
「大規模なリストラが行われることになり、真っ先に高卒の40歳以上の平社員がターゲットとなり、それまでのキャリアと全く関係のない部署に異動させたり、正面から早期退職を迫ったりと、会社は彼らが『辞めます』と言わざるを得ない状況に追いやった」
決してパフォーマンスは高くはないし、数字につながるような結果や、目に見えるような成果を出せないけれども、その人がいることで、組織が回ることってある。会社に評価されることはないし、昇進することも、給料が上がることもないけれども、その会社が好きで、そこの商品が好きで、お客さんのために、地道に働いている人たち。陽の当たらない仕事を、頑なまでに真面目にやっている人たち。そんな会社の土台を支えている人たちがいる。
厳しい就活を経験し、父親世代がリストラに遭うのを目の当たりにしてきた20歳代と、リストラのターゲットになりやすい40歳代、50歳代ほど、「組織に依存してはいけない」という危機感が高い。
人間は努力しているのに報われない状態が続くと、心身ともに疲弊していく。報酬は、金銭などの経済的報酬だけではなく、昇進や他者からの心理的報酬もある。自分の努力に対する対価の期待と、相手から受ける報酬のバランスが崩れた状態が続くと、それが慢性的なストレッサーとなり、働く人たちに冷たい雨を降らせ続けるのだ。