危うし!50歳

■「経済特区自由村」(黒野伸一著、徳間書店、2013年)を読む。
 面白かった。「脱マネー自給自足」というタイトルのもと、多くの人々がやってくる。リストラ組もいる。殺人したと思い込んでだ人が偽名で生活しているのもある。廃村のような場所で住居が無料で提供され、相互依存といわゆる助け合いで成り立つ社会を目指している。
 最初の鶏の飼育方法についての話が、最後になってやっと分かってくることもいい。
 途中、貧困から長者になった章が出てくるが最後につながった。彼は、経済社会での成功者であったが、村ごと買い取って自由村を作ろうとしていたのだ。しかし、自由と怠けは違うが、そういう人々も入村してくる。
 どんでん返しがあったが、話としては面白いと思う。こういう生活に憧れているのかな。

■危うし!50歳
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
 サラリーマンで、「このまま65歳まで会社にいて給料をもらい、あとは年金生活に入ろう」と考えているなら、それはあまりにもお気楽かもしれない。
 50歳前後といえば、まだ働き盛りと思っていたのに、会社は「もう辞めてもらいたい」と思っているのだからコワイ話だ。経営環境が厳しさを増すなか、もはや企業側も高度経済成長期のように社員全員を最後まで“看取る”余裕はない。「給料が下がってもいいから、このままいさせて」と願っても、会社にしがみつかせてもらえなくなる日も近いのだ。
 1つは、給料に見合った仕事ができなければ会社にいられないことを自覚してもらうこと。
 もう1つは、ショック療法も効かなかった人には早期退職制度を利用して辞めてもらうこと。
 あなたの知らないうちに、会社はコソコソと、仕事のできない人や会社に貢献できない人を、労働基準法を守りつつ、どう無難に辞めさせるか、その出口戦略を模索しているかもしれない。
 働く側のシニアには、「定年後もこれまで培ってきたスキル、ノウハウを生かせる仕事を続けたい」「若い世代の経営者を応援したい」「お金には替えられない財産をより多くの経営者に伝え、社会に貢献したい」など、さまざまな思いがあるようだ。
 会社の規模に関係なく、サラリーマン時代にどれだけ本気で仕事に向き合い、実績を出してきたか。それだけでなく、その誇れる実績とノウハウを自分の言葉できちんと説明できるかどうか。ここがとても重要です。
「自らを査定し、強みを自覚して、それをアピールする力」がなければ、どの道も切り開けない。
そのために不可欠なのが「自立心」だ。「もう会社には頼れない」ことに早く気づいて行動しないと、手遅れになってしまうだろう。