会社の寿命

■「そういうものだろう、仕事っていうのは」(6人、日本経済新聞出版社、2011年)を読む。
 日経新聞の電子版で連載された小説の単行本化であった。現在も連載されているのだがこれは有料でないと読めない。
「これからは趣味に生きるんだ、やるたいことをマイペースでやっていくからな、と言っていたひとにかぎって、リタイヤ後はあっという間に老けこんでいた。」
「よし、休もう、明日からのために今日は休むんだ。」「休む元気」
「『じんくる』って沖縄の言葉で心とお金という意味なんだ。」
「自分も会社を辞めたときは三カ月くらいは遊びたいと思っていた。あの解放感は体が軽くなったみたいで空に浮かぶようだった。でもね、そう長く続くもんでもないんだ。〜〜
休みはせいぜい三カ月で十分で、それ以上だらだらしていると危険なリズムに入ってしまう。」
「適度な運動が自律神経の乱れを整えるというじゃないか。」
ゲシュタルト崩壊
「きみがつらいのは、まだあきらめていないから。」
「どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保ってると自分が納得できるように振舞うこと」
「不誠実さには適度な不誠実で応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。」

■会社の寿命
日経ビジネスからの引用である。
「企業が輝いている年数は、以前よりも短くなっていることが判明した。
 その理由として考えられる1つの要素が、「顧客視点の喪失」だ。短期収益主義や過度のコンプライアンス(法令順守)が蔓延した結果、企業が「顧客より利益」「顧客よりリスク回避」へ視点を変えてしまったことから、顧客が見えなくなってしまったというものだ。
「会社の寿命を重視するより、ブランドの寿命を重視すべきだ。『会社が滅びてもブランドを残す』ことを考えるべきで、それが結果的に会社の寿命を延ばすことにつながる」
会社の永続を考えることも重要だろうが、変化の多い時代を生き抜くには、ブランドの寿命を優先する発想の転換が日本企業にも求められるだろう。」