うふゅゆうぐずいむす

■うふゅゆうぐずいむす
◎静けさにいつもの朝が繰り返す    禅智
 この季節特有の雰囲気があった。思ったより静かなのは夏休みで子供たちの気配がないことなのだろうか。ある家の大きな庭木に赤紫の花が群をなして咲いている。道路越しでよくは見えなかったがこの時期は目立つ。
 新桜谷町行きのバスとすれ違う、このバスには付属小学校の生徒が列を作って乗る。今は夏休みで会社員一人が乗った。交通整理のいつものおじさんが日陰に立っている。暑いのだろう。「おはようございます」と、今日はこっちから挨拶した。ダミ声が返ってきた。
 コンビニで昼食のパンを買うことが日課になっている。清算時にコーヒーが無料ですと言われる。コーヒーサーバーの前にある冷凍庫から氷が入っているカップをとり、上のセロファンを剥がしてボタンを押す。道々、冷たいコーヒーをすすりながらで有りがたかった。最後は、溶け切れていない氷を口に頬張り、職場の人に「うふゅゆうぐずいむす」。

■「人生やり直し読本」(柳田邦男著、新潮社、2010年)を読む。
「ロックトイン・シンドローム
「子供というものは、大人が思っている以上に、生きることについて、本質的なことを感知する能力を持っているという事実」
「感性を失った人は、本も読まないし、講演会に出かけることもしない」
「人格形成の基盤になる『感動の原体験』や『大人との共同体験と会話』がいかに乏しいか」
「本は、大事な友達であり、先生でもある」
「俳句を詠む人は、プロであれ素人であれ、いつも句帳を携行している。」
「わずか五七五という十七文字で、風景と心の響き合う世界を表現しようとする俳人が、言葉の一語一語に託す思いは並大抵のものではない。」
「なんでもかんでもコンピュータの論理に従うような社会の行き着くところは、速くて便利なように見えて、実は人間の温もりを失ったギチギチの堅苦しく生きにくい社会になってしまう」