残暑Ⅲ

■残暑Ⅲ
◎五十肩吹き出る汗が拭えない    禅智
 子供がAKBのコンサートから帰ってくるので、5時30分に駅前に迎えに行く。バスの近くまで行ったところ、顔を見るなり「あっち、行け!」のサイン。友達には合わせたくない父親であったようだ。顔とスタイル以外は自信があったんだが・・・・。今日も体調が思わしくない。部屋のエアコンを付け出勤までしばし目を閉じる。ニュースは広島の土砂災害を報じている。先日見たカルデラの映像とダブってしまう。土石流は何トンもの岩も流してしまうほど強い。
 薬を飲んで遅めに出勤する。風はあったが暑い。信号では、離れた日陰で待つことにしているが、ちょうど太陽が雲に隠れて影が見えず、横断歩道の前で待つ。すぐに太陽が顔を出し、やおら全身を照りつける。汗がほとばしる。行儀は悪いが、右の額は右の袖で拭う。左の額を拭おうとしたらギクツ!と痛みが走り拭えない。五十肩で左腕が上がらなくなってだいぶ経つ。一つひとつ岩石のように風化していく。

■「良寛と維馨尼」(吉井和子著、文芸社、2005年)を読む。
 維馨尼は『いきょうに』と読む。良寛と女性といえば貞心尼しか知らなかった。ほとんどが、維馨尼について書かれており、良寛はサブであった。ところどころに手紙の写真があったが、よく読めると不思議である。文字通りミミズが田を這ったような文字である。
「維馨尼さまこそ良寛が生涯を賭けて愛して止まなかった女性である。」
「『三国街道』は日本海側と太平洋側を最短距離で通じていた」