■雨
◎雨降って春の訪れ鴨の群れ   禅智
 朝から雨が降っている。この時期なら雪になっていなければならないのにと思いながらフードをかぶって歩く。いつも通る道に煙突があり白い煙を出している。どこかの工場の煙突だと思う。今日、白い煙はまっすぐに数m昇り、ゆっくりと北の方に曲がっていた。これで風がないことが分かっていい。
 赤江川には、鴨の群れがいた。数えたら12羽である。鳥のことはよく知らないが越冬はしないのだろうか。薄暗い朝であったが、川辺は明るかった。
 職場に着くころには額が汗ばんで来る。もう少し、ゆっくり歩けばよかった。

■「人、中年に到る」(四方田犬彦著、白水社、2010年)を読む。
「自分自身について書くこと。他のいかなるものにも依存することなく、自分の内側だけを見つめて書くこと。」
「人生とは〜ただの時間の持続にすぎない」(ゲーテ
「その仕事に関わるあらゆる屈辱を引き受けることに成功したとき、初めて職業になる」
「五十歳を越したとき、わたしはこれからは追い抜くのではなく、逆に追い抜かれることに悦びを見出さなければいけない」
「コピーされた資料を重宝したことはほとんどない。」
「書物などその土地の図書館に行って読めばいいと嘯く者たちには、わたしが長年慣れ親しんできた書物の物理的実在から立ち上がるオウラを理解することはできないだろう。」
「人間は希望というものを教えられたことによって、定かでもない未来にために現実を犠牲にする悪癖を見つけてしまい、以前にまして虚しい人生を送ることになったかもしれない。」
「知識を得ることは人間に不幸をもたらす。」
「旅とは少しく死ぬことである」
「仕事を始めるにあたってわたしがまず最初にしておくべきことは、自分の心に憎悪が残っていないことの確認である。」
「ある山の本当の高さを見究めるためには下方から仰ぎ見ているだけでは不十分であって、自分もある程度の高さに達していることが必要なのだ」(ニーチェ
「私の人生とは挫折の人生である。」
「〜語学の学習が高齢者にとって生きる活力の源となっている〜」
「習うということは白い羽になることだ」(エズラ・パウンド
「無感動が記憶喪失を自動的に誘発している」
「人を本当に癒すことができるのは傷ついた者だけである」
「いかなる国家も暴力に他ならず、いかなる国家もやがて滅びる」
「夢にはある種の予言的機能が隠されている」
「無用の用」
「わたしが学ばなければならなかったのは、まず捨てることであり〜」
「死は、前よりしも来らず、かねて後ろに迫れり。〜」(徒然草
「死ぬことに意味はなく 死は一瞬の悦び」