春の嵐

春の嵐
◎風渡る嵐の中に花一輪    禅智
 今日は風が強い。春の小川はさらさら、春の風はそよそよという感じがするが、今朝の風はまるで台風並みである。徒歩通勤者にとって風は強敵である。何が飛んでくるか分からず、警戒しながら歩かなければならない。朝は南風で背中を押されながら歩けた。庭木のハクモクレンの花が風になびいてだらしなく口を開けている。
 校庭の桜は飛ばされまいと必死にこらえているように見える。でも、時が来ると散らせてしまう。
 歩道では、昨年散った落ち葉が渦を巻きながら忙しなく舞っている。これでは、春の嵐と呼ぶべきだろう。まだ、雨がないだけましである。
 山が青い。雪の白とのコントラストが鮮やかだ。南の方から雲の塊が動いて来る。風が強いので眺めている間にかなり進む。面白かったのは雲の形が、山と似ていることだ。これがほんとうの“山が動く”だろうか。
 午後からは雨も混じり、文字通り嵐になった。傘をさすことができず、濡れたままの病院行きになった。