ぽっかり

■ぽっかり
◎ぽっかりと心に空いた青の穴    禅智
 降水確率はゼロ%で、いい天気である。早春の気候は幼い時のことを思い出す。具体的にはわからない。その感覚だけを感じている。頭の真上は青空、すこし鈍い青空が広がっており、空の端の方に雲が出ている。東の空には太陽がまぶしく、その北側には飛行機雲が縦に走っている。
 今日は図書館へ返却しなければならず、少し遠回りになった。そろそろ半袖か、と思いながら空を見上げると、心にぽっかり穴が開いたような感じになった。こういう日は、日向ぼっこでもしていたいと思う。
 意識していなかったが、全信号機で止まらなかったようだ。しかし、忘れてしまっているので止まったかもしれない。最後の2つの交差点は青であったが、最初のいくつかの記憶がない。まあ、どうでもいい些細なことだ。