また一歩

■また一歩
◎追い風が早くはやくと手招きす   禅智
 曇り空で、風が強い。南西の風のため、出勤時には追い風になる。バス停では、付属小学校の生徒が行儀よく並んでいる。まだ、7時前である。新学期が始まったことを知った。病院に植えてあるイチョウの木の下にギンナンが1つ落ちている。本格的な秋になった。山へ行って秋の恵みでも採ろうかなどと考えていたが、今週も時間がなさそうだ。途中に渡る赤江川に鴨が一羽いたので見ていると近くに長さ50cm以上(尺2)で赤と白の錦鯉が泳いでいる。おそらく松川から迷い込んだと思うが、この川には似合わないと思った。
 山は黒い。東の空に分厚い雨雲があるためだ。反面、西の空は薄い雲であった。
 突然、お誕生日おめでとうと職場の女性に声かけられる。そうか、自分でも忘れていた。
追い風が、早くはやくとせかしているようだ。また、一歩・・・死に近づいた。
 帰宅したら食卓の上に「ハッピー バースデイ」の紙と豪勢な夕飯が用意されていた。

■「60歳、生きかた下手でもいいじゃない」(今井美沙子著、岩波書店、2006年)読む。
 ことわざと自らの生活体験などが綴ってある。
「安物には飛びつくなよ。〜高か値段にはそれだけの値打ちがある〜」
「本は心の栄養〜」
「人間、どんな環境にあろうと、書きたいものがあれば書けるのである。」
「相手の立場に立って考えてあげられる人間が上等な人間」
「隣の家に蔵が建つと腹が立つ」
「上には上があり、下には下がある」
「人に言える苦労は苦労とは言えない」
「人間の矜持が大切」(頼みとするところがあって誇ること)
「あすありと 思う心のあだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」