夏空

■夏空
◎夏空に思いは募る未登山    禅智
 (なつぞらに おもいははせる みとうやま)
 すっかり夏の陽気である。風はうすら暖かく、気温も高い。山はかすんで見えない。
 そろそろ夏山であるが、今年はどうだろうか?低山のハイキングになる可能性が高い。
 登れなかった山は縁がなかったのだ。山へ行くには、精神的に安定していなければいけない。今のような薬漬けの生活状態では決して安定しているとは言えないか。
 ええィ、どうにでもなれ!と、♪♪や〜けのやんぱち 石投げたぁ〜。
 咳ひとつしても、心臓の病気に結びついてしまう。登山と心臓疾患の論文によると現在でも登山中の突然死の人たちの多くは自分のような心臓疾患患者という。
 だからどうしろというのか?
 別の角度から述べている資料によると、適度な運動、バランスのいい食生活、ストレスのない生活がいいようだ。
 そんなことの分からない人はいない。で、どうしろというのだ! そんなことは自分で考えろということか。最近、求人欄のアルバイトのところを見るようになってきた。

■「芥川症」(久坂部 羊著、新潮社、2014年)を読む。
 書物のタイトルや目次の他生門、クモの意図、極楽変、或利口の一生など、芥川龍之介の小説のパロディかと思ったが、なかなか読ませる内容であった。きっかけだけもらったような作品である。少し怖い内容もあったのは、医療関係者だからだろうか。
「早死に遺伝子・・・・」
「アイデアが湧かない・・・・」
「変人こそがこの世を導き、世界を変革するのだ。」
「あらゆる天才は、精神的に畸形だったり、身体的に欠陥があったりする。」
「医療にすがって、治らない病気を無理に治そうとするほど、苦しく、愚かしいことはない。」
「五十八歳。もう十分に生きたから、いつ死んでもいいと〜」